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自分自身のこと、考えなかったわけじゃない。
けど、考えないようにはしていた。
さっきの言葉が、頭をぐるぐる回る。
Aは好きな人いないの？いい人いないの？なんて言われる度に「今はいいかな」って。
8割本心だけど、2割は嘘。
でもまだ、恋愛をする勇気は出ない。
人に与えすぎて、自分のぶんはからっぽなんだろうか。いや、違う。それは断じて違う。
余計なこと言いやがって！と隣の席を睨もうとするが、目に入った猪狩の横顔があまりにも綺麗で、なんだか睨む気が失せてしまった。
やり場のない怒りは、教科書の隅に発散した。
授業が終わってから猪狩と話すことはなかった。
特に何を言いたい、とかさっきの事はもうすっかり忘れていた。
そんなとき、不意にかけられた声。
「A！岩崎が呼んでる」
「へ？」
ちらりと教室のドアに目をやると、そこには小さいの頃からの友達である大昇が立っていた。
「なに大昇、教科書？」
「さすがA。世界史な！」
「え〜まじか。なぁくんとか浮所に借りればいいじゃん」
隣のクラスの大昇はたまに私に教科書を借りに来る。他の子に借りなよ！と文句を言いつつ、色々とお世話になっているので無下にはできず教科書を手渡した。
「ありがと。2人のクラス行ったけど教室移動かなんかでいなかった」
「じゃあしょうがない。綺麗に使ってよ」
「わかってるって！助かった〜」
手をひらひら振って隣のクラスに戻っていく大昇を見送って、私はまた友達の輪に戻った。
「岩崎って実はかっこいいよね？」
友達の一言に私ははっとした。
確かにスタイルはいいし、可愛い顔をしているような……。
「小さい頃はもーっと可愛かったよ！今度写真見る？」
「え！見たい見たい！」
いつか大昇を好きな女の子の背中を押すことになるんだろうか。
大昇、こんな可愛い子に好きになってもらえてラッキーだな。って思いたいな。
ぼんやりそんなことを思っていたら、次の授業が始まった。
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あり(プロフ) - 廉しょりさん» コメントありがとうございます！無事完結いたしました！読んでくださったようでとても嬉しいです！ありがとうございました！ (2018年12月21日 22時) (
レス) id: f999b45b65 (このIDを非表示/違反報告)
廉しょり - 完結おめでとうございます！ (2018年12月21日 20時) (レス) id: d33008032f (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 頑張ってください！ (2018年11月14日 18時) (レス) id: 7dc2471e07 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとうございます！楽しみと言っていただけてとても嬉しいです。頑張って描き進めますので、どうぞよろしくお願います！ (2018年11月10日 12時) (レス) id: 6af7259f28 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 続きが気になります！更新楽しみにしてます^^ (2018年11月10日 1時) (レス) id: 7dc2471e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あり | 作成日時：2018年11月6日 16時
