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伍 ページ5
「すんません。すんません本当にこいつもう」
「だ、大丈夫ですよ!!」
茶髪さんがさっきと同じように坂田さんの頭をつかんでひたすら一緒に頭を下げてくる。
私はとにかく嫌ではなかったということが伝わるように、必死でまた手を顔の前で振った。
それを見た紫髪さんと金髪さんが、また坂田さんをいじるようにして笑い合う。
(――どうして、だろう)
新しいお客様なんてめったに来ないせいなのか、はたまた、まるで会ったことのないようなタイプの方たちだからなのか。
目の前の四人のやりとりを見ていると、何故だかとても温かい気持ちになって――安心している自分がいた。
(この感じ。この、空気)
彼らの笑顔。
それは数年前、私が失ったものに――両親と過ごした日々の中にある笑顔に、似ていた。
気が、した。
そんなせいもあったのかもしれない。
私は、彼らに自分の名前を告げるのに、ほとんど抵抗は無かった。
「――Aです。Aって言います」
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名:黒崎クロエ | 作成日時:2019年1月12日 17時