ページ93 時の流れ ページ46
「ルキナ…ここ、どこなの?」
「ここは…時空の空間の中です」
「時空…ってどういうこと?何をするつもり?」
「お話します…私たちがナーガ様から授かった策と、これからのことを」
「過去に…戻る!?」
「はい、そうです」
やはりこの作戦は、皆にも理解しがたいものだったらしい。
過去に戻るだなんて、ありえない話だから。
戻るのは、ギムレーが復活する原因となったものをなくすため。
そうすれば、絶望は訪れない。
つまり自分たちが生まれていない過去に、ルキナたちは溯ろうというのだ。
それは、とても危険なこと。
「いいですか、あちらの世界に行ったら…絶対に正体を知られてはいけません」
「できるだけ…隠密に動くんだ」
「特にウード。あなたと私は王族…まだ生まれていないとはいえ、十分気をつけてください」
「あ、ああ…」
皆はまだ、どことなく戸惑った様子で二人からの話を聞いていた。
「ルキナ、具体的にはどうすればいいんだ?そのままいるだけじゃまた…」
「絶望の原因をなくすんです…例えば、エメリナ様の死。それから、ペレジアでの会談など」
「でも…本当にできるの?こんなこと…」
「でも、私はやります。お母様とお父様と、もう一度…会いたいですから」
「…っ…そうね。あたしも…会いたい」
仲間は皆、親を失った身。
ルキナの意に皆は賛同した。
「あ、そうだ。ウード、もう一つ君に忠告」
「なんだよ。アズール…」
「あっちの世界では、変な言葉遣いやめてよね」
「な…!我から紡ぎ出されし言霊は聖なる力を持つのであって…!」
「はいはい、あっちの人に変な人に見られるから」
「変だと!?貴様…」
一瞬笑っているアズールに飛びかかろうとしたウードだが、意図を察してやめた。
彼は彼なりに、皆に元気を与えているのだと。
その効果もあり、皆に笑顔が現れる。
「…お前こそ、あっちでナンパしまくるんじゃねぇぞ。世界中の女に嫌われる」
「な、なんだって!?僕はただお姉さんたちといい時間を過ごしてー」
「はいはい。わかってますよー」
「ウード!…もう…ははっ」
「あははは」
まったくもう…と涙ぐむセレナの姿。
仲間の気遣いの心に感謝の雫が止まらないルキナ。
これからの旅も…きっとなんとかなる。
彼らは希望に満ちていた。
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作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時