検索窓
今日:16 hit、昨日:0 hit、合計:16,766 hit

ページ92 常識外の提案 ページ45

絶望に打ちひしがれるルキナにナーガが教えたのは、とてもありえないこと。

少しでも希望を掴みたいと願うルキナが戸惑うほど、それは常識はずれだった。





「みんな、生きてるか!?」

「な、なんとか…」


ついに屍兵を全滅させ、ギムレーを不利に追い込んだウードたち。

しかし本気を出してしまったギムレーのブレスを受け、また苦戦していた。

ウードが先ほどまで立っていたところは、無数の棘によって掘り返されている。

あのままあそこにいたら…考えるだけで恐ろしい。


「ルキナたちはまだなの…!?もう耐えらんないわよこんなの」


セレナが息を切らせながら仲間の弓兵に肩を貸す。

どうやら逃げそびれて軽く足を負傷したらしい。

ほとんどは無事だが、彼女のように怪我をした人は何人かいた。


「ノワール、すぐに回復してやっから」

「あ、ありがとう…ブレディ」


正直余裕なんてものじゃない。

まず、20に満たない子供が竜に刃向かうなんて最初から無理だったんだ。

自分の国の首都を覆い隠せるほどの巨体の竜。

そんなものに手が届くはずがない。

あの人の姿をした人を倒せたとしても、本体を倒さなければ無意味。

それに…主であり仲間であるルキナの母を討つだなんて、辛すぎる。


「…あ!ねぇ、ルキナたちが!」

「ルキナ、ジェローム!」

「…みんな」


ルキナの表情の暗さに、流石の能天気なシンシアも異変を感じたのか、心配になる。

ジェロームの表情は仮面に隠れて見えないが、きっと暗いはずだ。そう思う。


「…お二人共優れない顔。もう諦めましたか?」


ギムレーはルキナたちの表情を見て微笑んだ。

大人の…意地の悪い笑み。

母が決して見せることのなかった笑み。


「みんな、これが最後の作戦です」

「最後って…どういうこと、ルキナ」

「大丈夫です、変な意味ではありませんから」


そう言ってルキナは皆に目配せする。


「私たちに…ついて来てください」


ルキナは全速力で撤退を始めた。

あまりに奇妙な作戦で、ギムレーも咄嗟に反応できない。

歩兵の仲間は馬や竜、ペガサスの背に乗り、かなりの高機動。

ギムレーも急いで追いかけた。



撤退した先は神殿の中。


「飛び込んで!!」


淡い緑の光が放たれる円状のなにか。

入り口のようにも見える。

ルキナの指示に驚くが、絆は伊達じゃない。

この子なら信じられる。

そう思った仲間たちは、一人…また一人と、その光へと飛び込んでいった。

ページ93 時の流れ→←ページ91 覚醒の儀


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーナンバー

8

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。