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ページ71 女王の笑顔 ページ24

「フラヴィアさん…」

「A!?一人でなんでこんなところに…国はどうしたんだい?」


数々の戦を生き抜き、情の厚いフラヴィア。

彼女が一番絶望する殺され方は…


「…ごめんなさい」


言った直後、フラヴィアの周りにいた兵たちを一掃した。

血飛沫がフラヴィアに降りかかる。


「え……?」


なにが起こったのか、戦い慣れした彼女もさすがに理解できていない様子で瞬く。


「A…あんた…なにを」

「私はあなたを裏切ったのです。あなたなど仲間ではないのですよ」

「んな…」


フラヴィアに剣で攻撃を仕掛けるが、綺麗に受け止められる。

そのくらいの冷静さは保っていたようだ。

Aに向かって、フラヴィアは戸惑いながらも剣を向けた。

瞳が…動いている。動揺を隠しきれていない。

しかし、しっかりと柄を握る姿を見て、Aは微笑んだ。


「大丈夫ですよ…私はもう攻撃しません」

「どういう…」

「あとはこの方たちにやってもらいます」


先ほどと同じように魔力を注ぎ、屍たちをもう一度立たせる。

連れてきた屍は後ろへ下げ、ついさっき死んだフェリアの者だけを残した。

当然のごとく、フラヴィアは動けない。

見知った同胞、仲間の者たち。

数分前まで仲良く話していた者たちに斬りかかるなど、簡単にはできない。

なにより、死者を動かしている…何かが違うAの恐ろしさにゾッとした。


「そんな…待て!なんでこんな…!!」

「…あなたに仲間が殺せますか?ほら、あなたは戦士の国の女王…それくらいできるでしょう?」

「あ…ああ…」

「仲間に殺される王…うふふ。いいですね…期待していますよ、フラヴィアさん?」


壁際に追いやられたフラヴィアに、以前の勇ましい面影はない。

同胞に裏切られ、仲間に裏切られ。

絶望のまま死んでいくのだ。

彼女の笑顔を見る日は、二度と来ないだろう。





さて…次がお楽しみ。

とても甘い…最大の裏切りの時間だ。

リズたちは帰還していたようで、城の方や城下町が騒がしいように思える。

城から攻めても面白くない。

じわじわと追い詰めてやる。


「あっ…!A様?A様だわ!!」

「…?」


城下町一歩踏み出すと、すぐに女の声がした。

その声を聞き、周りに人があふれ返る。


「本当だ!どうなされたんです?リズ様たちと一緒ではなかったんですか?」

「女王様がお一人でだなんて…危険ですわ」


この器は女王だったか…。面白い。

まずは…こいつらからだ。

ページ72 廃都→←ページ70 屍の兵


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作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時

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