検索窓
今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:16,761 hit

ページ63 異国の魔法 ページ16

ファウダーは見たことのない術を扱った。

きっとそれはペレジアだけに伝わる魔法なのだろう。

それに対しての知識が少なすぎて、全く対応が取れなかった。

そしていつの間にか…台座が奴の手に。


「なっ…なんで!!」

「後ろがガラ空きだ…クロム」


台座にまとわりつく緑色のもの。あれが飛んできて、台座を持ち去ったのだ。

ドロドロした不気味な物体。

先ほどから二人を取り囲むようにして浮いている。

そして目に見えないほどのスピードで突進してくるのだ。

当たればその箇所に熱が集まり、衣服や肌を溶かす。極めて危ないものだ。


「 どうしましょう…あれを盗られては!!」

「落ち着け、A!大丈夫だ!」


そう話している間にも、ファウダーは台座を祭壇へとはめ込む。

途端、紫の光が溢れ出した。

しかし、それだけで何も起こらない。


「どういうことだ…」

「…私がいなければ発動しないのかも…まだ勝機はあります」

「あぁ、そのようだな」


まずは周りにいるこの物体を倒さねば…。


「クロムさん、伏せてください!」


そう叫んで、トロンを打ち出す。

一方向ではなく、体を動かして円を描くように。

緑色の物体は、焼け焦げて地に落ちた。

続けてファウダーめがけて照準を合わせる。

当然のごとく避けられたため、クロムと共に剣での攻撃を仕掛けた。


「終わりだっ!!」


剣先が標的に当たる直前、今度は後ろへと吹き飛ばされることになった。

体が床を滑る。全身が熱く、ヒリヒリする。

…そして、寒い?


「きゃ…!?」


吹き飛ばす際の魔法があれだったのだろう、クロムとAの衣服が少々溶けていた。

おかげで直に床に肌を擦られ、真っ赤だ。


「い、痛……あっ!?」

「A…!?」


立ち上がった瞬間、次は紫の鎖状の光がAの体に巻きつく。

そのまま思い切り引き寄せられた。


「古の神ギムレーよ…今ここに其方の贄を授ける。その肉体を糧として、ここに舞い戻れ…」

「は、離しっ…!!」


視界が揺れる。

クロムの泣き叫ぶような顔を最後に見て、Aは体の自由を手放した。


「貴様…何を!!」

「いよいよだ…ギムレー様が戻られる…」

「ふざけるな!答えろファウダー!」


ファウダーはクロムの声など聞こえていない様子で、ただ虚ろに像を見上げる。

そのすぐ後、黒い雷がAの体を撃ち抜いた。

ページ64 覚醒の時→←ページ62 二つの戦闘


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーナンバー

8

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。