ページ63 異国の魔法 ページ16
ファウダーは見たことのない術を扱った。
きっとそれはペレジアだけに伝わる魔法なのだろう。
それに対しての知識が少なすぎて、全く対応が取れなかった。
そしていつの間にか…台座が奴の手に。
「なっ…なんで!!」
「後ろがガラ空きだ…クロム」
台座にまとわりつく緑色のもの。あれが飛んできて、台座を持ち去ったのだ。
ドロドロした不気味な物体。
先ほどから二人を取り囲むようにして浮いている。
そして目に見えないほどのスピードで突進してくるのだ。
当たればその箇所に熱が集まり、衣服や肌を溶かす。極めて危ないものだ。
「 どうしましょう…あれを盗られては!!」
「落ち着け、A!大丈夫だ!」
そう話している間にも、ファウダーは台座を祭壇へとはめ込む。
途端、紫の光が溢れ出した。
しかし、それだけで何も起こらない。
「どういうことだ…」
「…私がいなければ発動しないのかも…まだ勝機はあります」
「あぁ、そのようだな」
まずは周りにいるこの物体を倒さねば…。
「クロムさん、伏せてください!」
そう叫んで、トロンを打ち出す。
一方向ではなく、体を動かして円を描くように。
緑色の物体は、焼け焦げて地に落ちた。
続けてファウダーめがけて照準を合わせる。
当然のごとく避けられたため、クロムと共に剣での攻撃を仕掛けた。
「終わりだっ!!」
剣先が標的に当たる直前、今度は後ろへと吹き飛ばされることになった。
体が床を滑る。全身が熱く、ヒリヒリする。
…そして、寒い?
「きゃ…!?」
吹き飛ばす際の魔法があれだったのだろう、クロムとAの衣服が少々溶けていた。
おかげで直に床に肌を擦られ、真っ赤だ。
「い、痛……あっ!?」
「A…!?」
立ち上がった瞬間、次は紫の鎖状の光がAの体に巻きつく。
そのまま思い切り引き寄せられた。
「古の神ギムレーよ…今ここに其方の贄を授ける。その肉体を糧として、ここに舞い戻れ…」
「は、離しっ…!!」
視界が揺れる。
クロムの泣き叫ぶような顔を最後に見て、Aは体の自由を手放した。
「貴様…何を!!」
「いよいよだ…ギムレー様が戻られる…」
「ふざけるな!答えろファウダー!」
ファウダーはクロムの声など聞こえていない様子で、ただ虚ろに像を見上げる。
そのすぐ後、黒い雷がAの体を撃ち抜いた。
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作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時