＜FE＞絶望の運命・覚醒編第二巻 (ページ15)

今日:8 hit、昨日:31 hit、合計:16,789 hit

ページ62 二つの戦闘ページ15

「ファウダー！…やはりあれではダメージになりませんでしたか…！！」

「お前の一撃など軽いものだ。さぁ…戻ってこい、ギムレー様と同化しろ」

「断ります！」

距離はあるが、ここから見るにファウダーは大して負傷していないようだ。

やはり魔法職の人に魔法は効きづらいか…。

後ろにはペレジア兵がたくさん。

前に進むしかない。

「ねぇ…Aさん、ギムレーって何？王様と何があったの？」

「それは…あとで詳しく説明します。とにかく、狙われているのは炎の台座！…守りますよ」

クロムとA中心に防御の陣形に入る。

しかし、さすがに数が多すぎた。それにファウダーを倒さねば解決にならない。

また…戦争が始まるのか。

ファウダーの周りは手薄だ。余裕があるのか、護衛を一人もつけていない。

数で不利なら、敵の戦意を削ぐ行為……敵将を討ち取ればいい。

「クロムさん…準備はいいですか？」

できる限り祭壇のもとへ近づいて、防御の形をキープする。

ここから一気に二人で飛び出して、ファウダーに戦闘を仕掛ける予定だ。

残ったものは、二人の邪魔をさせないように全力で阻止。

限界になる前に、勝負を決める。

「３…２…１……今ですっ！」

合図とともに、陣形から飛び出す。

あとは、ファウダーのもとへたどり着くだけ…！

その瞬間、ファウダーの口角がつり上がった。

「…かかったな」

背後で空気がうねるような感覚があった。

驚いて振り返れば、そこには天井まで届く大きな壁が建っていた。

壁とはいっても、向こう側のリズたちは見える。

でも、なぜか音が聞こえなかった。

試しに手を入れてみても、ブォン…と鳴るだけ。

「なんですか…これは」

「障壁…これで貴様らも、あいつらも、互いの戦闘に干渉はできない」

ファウダーが笑う。

しかし、Aたちの心は落ち着いていた。

「むしろ好都合ですよ。こちらの戦闘が有利になっただけ…。無駄でしたね」

「なんだと…？」

「俺たちは貴様になぞ負けん。この壁を作ったことを後悔するんだな」

「生意気な口を…」

二人の余裕っぷりに、ファウダーも少し腹を立てたのだろう、魔導書を取り出した。

「いいだろう…散々痛ぶってから贄にしてやる」

「それはこちらのセリフです…覚悟しなさい！」

「行くぞ、A！！」

二人同時に、ファウダーに飛びかかる。

2対1なら完全に有利。

そう思っていたのに…。

なぜ、こんなことになってしまったのだろう。