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ページ59 ギムレー教 ページ12

儀式をしたら…自分は邪竜の力を手に入れるのだという。…手に入れる?それは違う。

ただ、復活の道具にされるだけ。

待っているのは、苦しみと死。

そんなもの…誰がするものか。


「いやですっ!!やめて!」

「安心しろ、まだ時間はある」


すっかり丁寧な口調は消え去り、自身の勝利が確実だという余裕のオーラ。

まだ…死ぬわけにはいかない。

イーリスにルキナを残しているんだ。

クロムが捕らえられているんだ。

仲間が危ないかもしれないんだ。


…諦められない!


「あぁ…一つ忘れていた。お前たちはクロムから炎の台座を奪ってこい」

「承知しました、ファウダー様」


炎の台座…イーリスの宝のことだ。

クロムの持つ剣と同じ、ずっと昔から伝えられてきた伝説の道具。

クロムの持つ宝を剣とすれば、台座は盾。

今、それは聖王の証としてクロムが所持しているはずだ。


「魔法の力が弱まっているな…。動くかもしれない…抵抗したら、殺してもよいぞ」

「御意」

「まっ…待ちなさい!!」


殺される…クロムが。抵抗したら、と言っているがきっとそうするに違いない。

放っておいたら彼が…。

しかし、今の状況は極めて不利。腕を掴んでいた兵が二人とも離れたため、今は二人きり。

機会を待つしかない。


「…先ほど、魔法が弱っていると言いましたね?そんなに持たない力なら…大勢に影響のある可能性が高い。まさか、皆も拘束していると?」

「ご名答。全員、縛り付けてある」

「やはり…」

「さすがは私の娘だ。頭が良い…」


ファウダーは感心したようにそう言ったが、Aは全く嬉しくなどない。


「黙りなさい…私は母さんの娘です!あなたのような人の子ではない!!」

「ははは…やはり抵抗するか。まぁ良い。確かに今からはお前の父ではなくなるからな」


ファウダーは油断しきっている。

武器を奪って、仲間の命を盾にとったこの状況を有利だと思い込んでいる。

…舐められたものだ。

王族に見初められた軍師の腕を。

優秀な軍師だったという母の血を引いた自分のことを。

逃げるなら、今。



Aは手の平に魔力を集める。魔導書など持っていなくとも、魔法は撃てる。

それには高度な技術が必要だが、それは魔法専門の仲間に教わった。

そして代償は命の欠片。

仲間のためなら少々犠牲にしたって構わない。

作り出したのは、得意なサンダーの魔法。

それを今、ファウダーの背中に向け、放った。

ページ60 脱出作戦→←ページ58 真実


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作者名:すぃふる | 作成日時:2016年7月9日 15時

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