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権利が欲しい ページ24

一緒にいたいと、真っ直ぐにそう思うから。グクの帰る場所がこの家ならいいのにと何度も思うから。

グクのことを何も知らないのに、感情ばかりは日々募っていく。こんな切な恋慕を寄せることになるなんて、想像もしなかった。

「ヌナって猫舌ですか?」
「うん」
「なら気をつけて、冷たいお茶も持ってきますから」

運んでくれたローテーブルに置かれたお粥は美味しそうだ。

茶を取りに行ってくれているグクに対して早くこっちに戻ってきて欲しいと思いながら、食べるためにゆっくりと体を起こした。

わざわざ木のスプーンも添えてくれて、息を吹きかけてから「いただきます」とおかゆを口に含む。優しい味だ。

「おいしい」
「よかった」

ふんわりとした笑顔を見て胸が詰まる。今度彼がきたら、そのときは連絡先を交換しよう。


ずっとずっと形がなくて名前のなかったこの関係を、少しずつでも確かなものにしていきたいから。


「グク、わがまま言っていい?」
「はい、なんでもどうぞ」
「もうちょっとだけ、帰らないで」

ずるい女になってもいいかな、あざといと思われても、グクに溺れる女でいてもいいかな。
そうすることでグクが私を捕まえてくれるなら、汚い私を出してもきっと後悔しない。

「ヌナが眠っても、起きても。今日はずっとここにいます」



このあたたかい手のひらに包まれる権利が、欲しい。

少しは特別?→←気の緩みかな



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うに - めっちゃ好きです…このお話に出会えてよかった( ; ; ) (2022年10月14日 19時) (レス) @page44 id: 7083a913c1 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 狐兄弟 凌さん» 本当ジョングクの黒髪is正義ですよね……何色でも神ですけど……() 私も一応グクより年下やんですが、どうしてもヌナと呼ばれたくて笑 コメントありがとうございます! (2019年11月1日 20時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
狐兄弟 凌 - 確かに黒髪好きですかっこいい!! あの困り顔で首傾げられると死にます可愛すぎて この話も私は中学生だけどヌナ目線で面白かったです!それにグクオッパ呼び嫌いやしー泣 (2019年11月1日 20時) (レス) id: 7d3711d128 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - kokoboboさん» 弟の方まで( ; ; )! ありがとうございます! ジョングク氏は人見知りな分心を許したらどっぷりだろうなと思っていて、それが自然と滲み出ているんだと思います()書くのが楽しかったので、きっとまた何かしら書くと思いますのでよろしくお願いします! (2019年10月20日 14時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
kokobobo(プロフ) - 前回の弟レンタルの話もとても自分の好みで、今回の作品も本当に自分の好み刺さってて神かと思いました!ドロ甘系大好きなのでこれからも機会があったら描いていただきたいです応援してます! (2019年10月20日 14時) (レス) id: 4b3068ef63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2019年8月25日 20時

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