それはまるで麻薬のような ページ24
「なんで、ヨヌのこと」
「ヌナがベロベロに酔ったとき、僕たち偶然出会ったんです。そしたら僕の方見て『ヨヌ』って」
「それは、本当にごめん。覚えてなくて、」
「でも僕傷つきました」
急に丁寧な口調になって、肩に頭が埋まる。
黒くて綺麗な髪がふわふわしていて、思わず私も背に回していた手に力が入ってしまった。
この子が、ほしい。
この子との時間と、この子と過ごす権利が欲しい。取引ではない、夢ではない、現実の世界で。
「ねえヌナ、僕、レンタルじゃなくて、弟じゃなくて、ただのジョングクとしてヌナのそばにいたいです」
Aヌナ、と私の心臓を締め付ける声色でそう言ってくるグクはずるい。
彼は分かっているのだ。私がグクに甘いことも、甘やかしたがることも。
首元に唇が触れて、ビクついた。
夜の公園は人通りがない。外灯だけが、ぼんやりと明るい。
「グ、グク、」
「ヌナ、好き」
「ちょ、こそばいっ」
「幸せな日々を送ってねって言うけど、それはヌナが一緒じゃないと送れないです」
今までにないゼロ距離に、体に力が入る。
のに、所々に触れる彼の唇が、段々と私の体の力を奪っていって、ふにゃふにゃになってしまう。
こんなワザ、どこで覚えてきたのだ。
可愛いのにかっこよくて、本当に恐ろしい子。
ぱちり
丸い目に、捕らわれ、
甘い笑顔に、感覚が麻痺する。
「……っ、ん、」
ついに重なってしまった唇が、熱くて熱くてたまらなくて。角度を変えて何度も触れてくる彼の柔い唇が甘すぎて熱が出そうだった。
大きな手のひらが頬を撫で、甘すぎる空気と触れ方にうっすらと涙が滲んでしまう。
何がどうなっているのだろう。思考が回らない。
ただ、今これは現実の世界で、契約ではない虚偽の空間であることだけは、分かる。
「ヌナ、好きです」
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ちよ(プロフ) - ゆりかごさん» 更新や新作頑張っていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします……!ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - nyarさん» 幸せを感じていただけたら嬉しいです! グクとの海のデートはソロの日本語訳を参照にしながら執筆いたしました! 多幸感もテーマの一つです( ˘ω˘ ) (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 兎餅さん» 泣!?!? ありがとうございます! お返事遅れてしまって申し訳ないです! ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりかご - もうすごく感動しました( ´;゚;∀;゚;)これからも応援するので頑張ってくださいo(*≧∀≦)ノ (2019年7月29日 14時) (レス) id: 49ff43ec91 (このIDを非表示/違反報告)
nyar(プロフ) - はじめまして!かなりハマったしかなりときめきました!最後から3ページくらいからもう幸せすぎてヤバかったwこんな素敵なお話、ありがとうございます!あなたの他の作品も今から見に行きます^_^ (2019年5月22日 23時) (レス) id: 5ee86f0a2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2019年4月28日 16時