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信じられない ページ23

彼がぺこりとお辞儀をして去るのは、いつも時間通りだった。時間を過ぎたことは一切ない。それなのに、今、もう3分も過ぎた。


沈黙のまま、だ。


堪え切れなくなって立ち上がると、グクの丸い目が私を見上げた。
そして、頭を下げる。言わないつもりだったのに、こうでもしないと彼は私を離れさせてくれないだろうから。私を、ただの依頼主として切ってくれればいいのに。


このままだと変に期待してしまうではないか。


「今までありがとう。ジョングクと過ごした時間はいつも幸せで、楽しくて、癒された。沢山の思い出を本当にありがとう。元気で、ね。気をつけて帰ってね、じゃあ、」


さようなら、と口にするつもりだった。そして去るつもりだったのに。気づけば私はグクの腕の中で、痛いくらいに彼の腕に抱きしめられていた。


「グ、グク?」
「やだ」
「え?」


こんなときなのに、彼の柔軟剤の香りにドキドキする。ああもう、やめてほしい。これ以上好きにさせないでほしい。


「あの人がいるからもう僕はいらないの、Aヌナは、僕にもう会いたくないの?」
「あの人って、だれ」
「ご飯食べにきてた人。ヌナ、僕の前以外でもあんなに笑えるんだって悲しかった。今回だってまた4ヶ月会えなくて、僕ばっかりヌナのこと待ってた!」


信じられない言葉ばかりが降ってくる。

そんな、じゃあグクも、私と同じようにこの時間を大切で特別なものだと思っていてくれてたの?

もう一度「やだ」と耳元で低い声が響いて、ゾクゾクした。自然と手に力が入って、グクの服をぎゅうっと握ってしまった。




「ヨヌって間違えられて、知らない男の人と笑うヌナを見て、お別れを告げられる僕の気持ち、わかってる?」




見たことないような鋭い目が、私の心臓を握りつぶす。

それはまるで麻薬のような→←そのときは来た



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ちよ(プロフ) - ゆりかごさん» 更新や新作頑張っていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします……!ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - nyarさん» 幸せを感じていただけたら嬉しいです! グクとの海のデートはソロの日本語訳を参照にしながら執筆いたしました! 多幸感もテーマの一つです( ˘ω˘ ) (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 兎餅さん» 泣!?!? ありがとうございます! お返事遅れてしまって申し訳ないです! ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりかご - もうすごく感動しました( ´;゚;∀;゚;)これからも応援するので頑張ってくださいo(*≧∀≦)ノ (2019年7月29日 14時) (レス) id: 49ff43ec91 (このIDを非表示/違反報告)
nyar(プロフ) - はじめまして!かなりハマったしかなりときめきました!最後から3ページくらいからもう幸せすぎてヤバかったwこんな素敵なお話、ありがとうございます!あなたの他の作品も今から見に行きます^_^ (2019年5月22日 23時) (レス) id: 5ee86f0a2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2019年4月28日 16時

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