刻一刻と ページ21
ご飯を食べた後は、買い物に付き合ってもらった。グクに何か選んでもらったアクセサリーを買うつもりで。
小物屋さんに来ると、キラキラとしたネックレスやピアスが並んでいて目を奪われる。気になるものを手に取りながら、らしくもなくはしゃいでしまった。
「これ、ヌナに似合いそう」
「そう? ならこれにしようかな」
グクが指差したのは、小さな黒い花が揺れるネックレスだった。可愛らしくて上品だから、似合うと言われて嬉しくなる。
すぐにレジに持っていくと、グクが手を差し出してきた。
「今つけようよ。貸して」
「え、自分でつけられるよ?」
「いいから」
グクにネックレスの入った小袋を差し出すと、しゃらりと中から取り出し、前から首の後ろに手をやる。
後ろに回ってつけてくれると思っていたものだから、ふわりと柔軟剤の香りに包まれた時、また心拍数は早くなった。
「ん、ついた」
耳の近くで声が響いて、クラクラしそうな中、「似合ってる」と微笑むグクを見て目を合わせられなかった。
「ありがとう」
「僕と会うときは絶対つけてね!」
その言葉にギクリとする。
「今日でお別れ」という風に直接的には言わないつもりだった。
それだと私と彼が姉弟だという設定が崩れてしまうからだ。元気でね、だけ、伝えようと思っていた。幸せであることも。
ああでも、それだと結局別れのセリフになるのか。
「何かしたいことない?」
「んー、新しくできたビルのところにVRがあるみたいだから、行きたい!」
「よし! 行こう!」
いつもより沢山のことをして遊ぶ。色んな場所で思い出を作っていく。
この時間のことを決して忘れないようにと、グクの表情一つ一つを焼き付けるように見ていた。
時間は夕方。
西日が、眩しい。
1121人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちよ(プロフ) - ゆりかごさん» 更新や新作頑張っていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします……!ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - nyarさん» 幸せを感じていただけたら嬉しいです! グクとの海のデートはソロの日本語訳を参照にしながら執筆いたしました! 多幸感もテーマの一つです( ˘ω˘ ) (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 兎餅さん» 泣!?!? ありがとうございます! お返事遅れてしまって申し訳ないです! ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりかご - もうすごく感動しました( ´;゚;∀;゚;)これからも応援するので頑張ってくださいo(*≧∀≦)ノ (2019年7月29日 14時) (レス) id: 49ff43ec91 (このIDを非表示/違反報告)
nyar(プロフ) - はじめまして!かなりハマったしかなりときめきました!最後から3ページくらいからもう幸せすぎてヤバかったwこんな素敵なお話、ありがとうございます!あなたの他の作品も今から見に行きます^_^ (2019年5月22日 23時) (レス) id: 5ee86f0a2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちよ | 作成日時:2019年4月28日 16時