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僕の依頼主さん ページ15

「まただ」

いつも二ヶ月おきに入っていたAさんの予約がない。前結局仕事が忙しくて、と聞いたが、今回もそうなのだろうか。

僕たちは予約してもらわないと依頼主さんには会えないし、会う術を持たないのだ。

意味もなく彼女の名前のないシフト表を見ていると、「ジョングガ」と声をかけられた。


「テヒョンイヒョン」


魅惑的な三白眼と彫りの深い綺麗な顔。長い睫毛は彼の目をより一層妖しく美しくさせる。発せられる声は低くて、深い。

男の僕でさえドキッとしてしまいそうになる程、綺麗な人だ。

「どうしたの、シフト表なんてじっと見て」
「……いえ、その、入ってないなあって」
「誰が……あー、あの、ヌナ」
「はい。いつも2ヶ月おきに入ってるのに」

Aさんと出会ってから気づけばかなり月日は流れていた。

大学でもバイトでも先輩であるヒョンはもう今年卒業だし、僕も来年はそうなる。

このアルバイトは高時給だし、契約時間以外は他人であることを考えると、普段人見知りだがその時だけは別人になればいいと思って振る舞うと案外上手くいった。


けれど、永遠にこの仕事を続けるわけではない。


「珍しいね、お前がそうやって気にするの」

今まで依頼主さんのことを気にしたことがなかったわけではない。

ただ、Aさんに関しては今までで一番気にしていた。
きっと弟に関する何かがあったであろう意味深な感じ。彼女は僕を本当の弟のように扱ってくれるし、僕もそんな彼女との時間が心地よかった。

だからこそ苦手な設定がある業務の中で、Aさんの予約が入ると嬉しくなるし、待ち遠しくなるのだ。

「一緒にいてすごく楽なんです。楽しいし」
「へえ。なんか重いもの背負ってそうだけど」
「……それは、突っ込んじゃいけないことなので」
「そうだね」


会いたいな、なんて、依頼主に対して思うことはなかったのに。

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ちよ(プロフ) - ゆりかごさん» 更新や新作頑張っていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします……!ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - nyarさん» 幸せを感じていただけたら嬉しいです! グクとの海のデートはソロの日本語訳を参照にしながら執筆いたしました! 多幸感もテーマの一つです( ˘ω˘ ) (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 兎餅さん» 泣!?!? ありがとうございます! お返事遅れてしまって申し訳ないです! ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりかご - もうすごく感動しました( ´;゚;∀;゚;)これからも応援するので頑張ってくださいo(*≧∀≦)ノ (2019年7月29日 14時) (レス) id: 49ff43ec91 (このIDを非表示/違反報告)
nyar(プロフ) - はじめまして!かなりハマったしかなりときめきました!最後から3ページくらいからもう幸せすぎてヤバかったwこんな素敵なお話、ありがとうございます!あなたの他の作品も今から見に行きます^_^ (2019年5月22日 23時) (レス) id: 5ee86f0a2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2019年4月28日 16時

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