やめないと ページ14
「A、朝だよ。会社行かなきゃ」
ゆさゆさと体が揺れる。
耳に優しい声は、そうか、ジミンだ。
開ききらない目をこすってもう立ち上がっているジミンを見上げると、ふんわりと微笑んでくれた。
「おはよう」
「おはよ。ごめん、私結局離さなかったんだ、ジミンのこと」
あの後私が泣き止むまで背をさすってくれたジミンは終電を逃してしまって、私の家に泊まってくれたのだ。
一緒に寝るのは流石にダメだということになって、眠るまでそばにいてくれて、断固としてソファで寝ると言い張った。
「ジミンは優しいね」
「そう? 僕友達には基本こんな感じだよ」
「彼女できたら言ってね。甘えるのやめるから」
「わかった、1番に報告する」
ジミンの彼女になる子はきっと幸せになれると思いながら、せめてものお礼として朝ごはんを用意した。といっても目玉焼きとトーストだけだけど。
昨晩のジミンの言葉を思い出す。
あれは、私にグクと距離をおけと言いたかったのだろう。このままだと依存して離れられなくなるから。
私は多分、人に執着するタイプだ。聞こえが悪いが、それでも仕方がない。
人が自分から離れるのが怖いし、拠り所となる人がいないと世界にひとりぼっちのような感覚に陥ってしまう。
もうこんなことやめないといけない。
「今日からジヨンちゃん復帰じゃない?」
「ほんとだ。わ、久しぶりにジヨンに会える!」
「じゃあ僕も今日のお昼はヒョンと食べようかな」
こうやって私が誰かと過ごすように、グクも誰かと日常を過ごしている。
知りたいのに知ってしまったら二度と会えないであろうことを思って、じれったく感じた。
グクと会うのをやめないと、一線を超えてしまう、かもしれない。
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ちよ(プロフ) - ゆりかごさん» 更新や新作頑張っていきますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします……!ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - nyarさん» 幸せを感じていただけたら嬉しいです! グクとの海のデートはソロの日本語訳を参照にしながら執筆いたしました! 多幸感もテーマの一つです( ˘ω˘ ) (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 兎餅さん» 泣!?!? ありがとうございます! お返事遅れてしまって申し訳ないです! ありがとうございます! (2019年8月25日 17時) (レス) id: 5b52149a5f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりかご - もうすごく感動しました( ´;゚;∀;゚;)これからも応援するので頑張ってくださいo(*≧∀≦)ノ (2019年7月29日 14時) (レス) id: 49ff43ec91 (このIDを非表示/違反報告)
nyar(プロフ) - はじめまして!かなりハマったしかなりときめきました!最後から3ページくらいからもう幸せすぎてヤバかったwこんな素敵なお話、ありがとうございます!あなたの他の作品も今から見に行きます^_^ (2019年5月22日 23時) (レス) id: 5ee86f0a2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2019年4月28日 16時