弟レンタルしました。【JK】

弟ができました ページ2

どんな風に来るのだろうと、待ち合わせの公園のベンチに座る。

いつもは縛っている髪も巻いて、会話の内容を考えた。コミュ障なのに、人見知りなのに、なんてものを頼んでしまったんだと今更ながら自分の勢いに後悔しそうになる。


「ヌナ？」


声、が聞こえて。
間近で聞こえたものだから、顔を上げた。


「ヌナだ」


そこに立っていたのは想像していたような平凡な少年ではなく、今までであった人間の中で一番整った顔の少年だった。

丸い目、可愛らしい口元、目尻に浮かぶ笑い皺。綺麗な黒髪は太陽の陽を浴びて天使の輪を作っていた。


「ジョングク……？」


聞いていた名前を言うと、きゅうっと目を細めて笑う。

なんだこの愛らしい子は。なんてイケメンなのだ。聞いてない。

「ふふ、ヌナ、久しぶり。今日どこに行く？」

可愛すぎるその弟に、それまでの不安や後悔が一気に吹き飛んでしまった。

「とりあえずご飯食べに行こうか……！」
「わあ！ 嬉しい」
「ジョングクは何食べたい？」
「肉！」

だめかわいい。

容姿の指定もしていなかったのに、私にこんなかわいい弟を送ってくれたレンタル会社には心底お礼を申し上げたい。

これはリピート確定案件だ。

可愛すぎて変にドキドキしていると、彼がまた「ヌナ」と呼んだ。


「グク、て呼んで」
「え？」
「僕ヌナにグクって呼ばれるの好きだから」


成人しているとは分かっている。
それなのにどうしてもうさぎさんやら赤ちゃんに見えてしまう。

ああ、恐ろしい子をレンタルしてしまった。貯金が無くなる気しかしない。

「グク、」
「うん」
「焼肉行こうか」

養いたいと、他人に対して初めて思った。

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