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「くそっ」


腕を振り払われて、体がぐらついた。
いつもなら平気なのに、その時ばかりは足がすくんでいたから結局こけてしまった。


「二度とここに近寄んな!」


私に言ったものじゃないのに、ビクついてしまった。


ああ、ユンギさんだ。

闇の中で、細い髪と肌だけが明るい。
私のお星様。


「A」


さっきの男の人とは違う、優しい手つきで私の腕に触れる。
走ってきたのか息が荒れていて、手のひらも熱かった。


私に合わせて地面に膝をつく彼から、少し香水の香りがした。
同じ男の人なのに、こんなに違う。


ほっとしたら、じわじわと涙が滲んできてしまった。


「何もされてないか、怪我は」

「だ、大丈夫、です」

「よかった……」


安心した彼の顔を見て、いろんなものがこみ上げてきた。
抱きつくなんて大胆なことはできなくて、目の前にある肩に頭を預けた。


泣き顔もあまり見られたくないから。


「すみませ、ありがとう、ございます」

「いいよ、お前が無事ならそれで」


こわかったな、


と優しい声が降ってきたと思えば、ユンギさんに抱きしめられた。
私がためらったことをすんなりとしてしまう、すごい人だな。


「送るから、帰ろう」

「はい、」


手のひらから伝わる温もりにまた涙が溢れそうになった。


私、ユンギさんが好きだ。

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apricot384(プロフ) - とても楽しく拝見しました!何度も読み返しました!また続きがあれば嬉しいです!最終の更新から随分経ってますがまた機会がありましたらよろしくお願いします! (2023年2月12日 17時) (レス) id: 5c0405314d (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あや*˚さん» はじめまして! 作品を読んで幸せな気持ちになっていただけるのが本当に嬉しいです( ; ; )! これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします! (2019年8月31日 19時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あや*˚(プロフ) - はじめまして。このお話大好きです。何度も読み返しては幸せな気持ちになりました。これからも楽しみにしています。 (2019年8月30日 9時) (レス) id: e2075205c1 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - ぽちさん» こんばんは! 番外編まで読んでいただきありがとうございます! 本編とは少し時間が空いてしまったのですが楽しくかけたので楽しんでいただけて嬉しいです! (2019年8月30日 0時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ぽち(プロフ) - こんばんは☆すごく大好きなお話で、定期的に何度か読み返させていただいてます^ ^番外編では、砂糖なユンギさんと、少し肉食系なユンギさんを見ることができて楽しかったです/// (2019年8月30日 0時) (レス) id: 8ba320eacd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2018年3月14日 22時

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