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私の気持ちは一生伝えないつもりだった。
私と彼は永遠にファンとアイドルだと思っていた。

彼にとっての私は、よくて妹みたいな存在だと思って疑わなかった。


「ユンギさん、」
「彼女になって欲しいんだけど」
「待って、待ってくださいユンギさん! 私は一般人で、ユンギさんは世界のアイドルで、」

「でもお前と出会ってAを好きになった俺は、ただのミンユンギだ」


手が震えて、彼の服をぎゅうっと握ってしまった。
それでもあまり力が入らなくて。

コンサートが始まるときよりもずっと心臓はうるさくて、張り裂けそうに存在を主張していた。


「忙しいしこれから気を遣わせることもあると思う。普通のカップルみたいにはいかないけど、俺、Aのことめちゃくちゃ好きなんだよ」


首元にユンギさんの顔が埋められて、ちくりと髪が刺さる。
こんなにも近い距離にいる好きな人が、私を好きだと言ってくれている。


アイドルだから無理だと思っていた。私は彼の隣に並ぶべきではないと思っていた。並べるとさえ思っていなかった。


彼の言葉を借りるとしたら、私が好きになったのはアイドルではないミンユンギさんだった。


難しく考える必要はなかったのかもしれない。
私はこの想いをもっと大切にしなければならないのかもしれない。


「ユンギさん」
「ん?」
「私、ユンギさんのことが大好きです。あえなくても待てます。出待ちもせずにいい子でいます」
「ぶは、うん、えらいえらい」


もうこのベンチで一人で星を見上げることはきっとない。
隣にこんなにもまばゆい星のように美しい人がいるから。


「ユンギさん、大好きです、ほんとにほんとに大好きです」
「ちょ、照れる、」
「ユンギさんは私のお星様です」
「……Aも俺の星だよ、」



星屑にさよなら、うつくしいひと、どうかこの先も隣で輝いていて。









終わり

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apricot384(プロフ) - とても楽しく拝見しました!何度も読み返しました!また続きがあれば嬉しいです!最終の更新から随分経ってますがまた機会がありましたらよろしくお願いします! (2023年2月12日 17時) (レス) id: 5c0405314d (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あや*˚さん» はじめまして! 作品を読んで幸せな気持ちになっていただけるのが本当に嬉しいです( ; ; )! これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします! (2019年8月31日 19時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あや*˚(プロフ) - はじめまして。このお話大好きです。何度も読み返しては幸せな気持ちになりました。これからも楽しみにしています。 (2019年8月30日 9時) (レス) id: e2075205c1 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - ぽちさん» こんばんは! 番外編まで読んでいただきありがとうございます! 本編とは少し時間が空いてしまったのですが楽しくかけたので楽しんでいただけて嬉しいです! (2019年8月30日 0時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ぽち(プロフ) - こんばんは☆すごく大好きなお話で、定期的に何度か読み返させていただいてます^ ^番外編では、砂糖なユンギさんと、少し肉食系なユンギさんを見ることができて楽しかったです/// (2019年8月30日 0時) (レス) id: 8ba320eacd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2018年3月14日 22時

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