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ステージの上のユンギさんは眩くて、キラキラしていた。
モニターに抜かれた彼が本当に楽しそうで、あそこに立つべき人で、あそこで呼吸をする人なのだと実感した。
「これが本当に最後の曲です」
ナムジュンさんのその言葉に、胸がぎゅっと締め付けられる。
これが、さいご。
その曲もあっという間に終わってしまった、トロッコにメンバーの皆さんが乗りはじめた。
二つに分かれるらしい。
どうか、どうか、
「A! ユンギさんこっちのトロッコだよ!」
「うん、うん……!」
ユンギさん、こっちを見て
生で姿を見られるだけでよかった、あわよくばトロッコでこちら側に来ることを願った、今、彼と目が合うことを望んでいる。
ユンギさんが幸せならそれでよかったのに、どんどん欲深くなっていく。
「ユンギさん……!」
めいいっぱいの声で名前を呼んだ。
私の声はたくさんの歓声に掻き消されてしまうけれど、それでも彼の名前を呼びたかったから。
──ぱち、
細められていた目が、見開かれ、
「ユンギ、さん」
──A、
彼の口が不自然に動いた。
自惚れだけれど、私の名前を呼んだ気がして。
一瞬固まった彼はジンさんに肩を組まれて慌てたように手を振り出した。
「A! 目、合ったよね、今! ユンギさんと!」
「あった、うん、ユンギさん、見てくれた、」
絶対に泣くと思っていたから化粧も薄めにしていてよかった。
目元が黒いところだなんてユンギさんに見られたくないから。
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apricot384(プロフ) - とても楽しく拝見しました!何度も読み返しました!また続きがあれば嬉しいです!最終の更新から随分経ってますがまた機会がありましたらよろしくお願いします! (2023年2月12日 17時) (レス) id: 5c0405314d (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あや*˚さん» はじめまして! 作品を読んで幸せな気持ちになっていただけるのが本当に嬉しいです( ; ; )! これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします! (2019年8月31日 19時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あや*˚(プロフ) - はじめまして。このお話大好きです。何度も読み返しては幸せな気持ちになりました。これからも楽しみにしています。 (2019年8月30日 9時) (レス) id: e2075205c1 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - ぽちさん» こんばんは! 番外編まで読んでいただきありがとうございます! 本編とは少し時間が空いてしまったのですが楽しくかけたので楽しんでいただけて嬉しいです! (2019年8月30日 0時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ぽち(プロフ) - こんばんは☆すごく大好きなお話で、定期的に何度か読み返させていただいてます^ ^番外編では、砂糖なユンギさんと、少し肉食系なユンギさんを見ることができて楽しかったです/// (2019年8月30日 0時) (レス) id: 8ba320eacd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2018年3月14日 22時