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2回目の宿舎、中に入るのは初めてだ。
手を離されて、当たり前のことなんだろうけれど寂しい、なんて、贅沢ものだなあ。

セキュリティを解除しはじめて、見ない方がいいなと思いくるりと後ろを向いた。
少ししてピッと音がすると「さんきゅ、」と聞こえてきて前を向いた。

カサカサと私の横で揺れる菓子折りを見てまたふっとユンギさんは笑った。

「会ったことあんのはジンヒョンとジョングクか」
「はい、ジョングクさんは会ったというか遭遇というか」
「ああ、たしかに」

どきどきばくばく。
いつのまにか玄関口に立っていたようで、ユンギさんはなんとためらいもなくその扉を開けた。

「ちょ、心の準備が……!」
「んなもんいらねぇって」

ああああオープンされてしまったああああ

が、そこにあるのは長い廊下だ。
靴を脱いで出されたスリッパに足を通してユンギさんの後に続く。

急にひらけたリビングが見、

「ようこそAちゃーん!」
「ひゃああああ!?」

希望さん、もといホソクさんが飛び出してきて、突然のことで心臓がばっこんと跳ねてしまった。
しまった、叫んでしまった。

しかもユンギさんにしがみついてしまった。

慌てて離れようとすると頭をぽんぽんと撫でられる。
今日のユンギさん、本当にどうしたんだ。

「悪い、びっくりしたか」
「は、はい、結構」
「わーっ、ごめんね? そんなに驚くとは思ってなくて!」
「いえいえ! 大丈夫です!」

驚きはしたけれど、ホソクさんのお陰で緊張はましになった。
リビングのソファに腰をかけていた皆さんが立ち上がる。

小さな顔、すらりと伸びた四肢、華やかなオーラ、あ、なんかいい匂いする……。

やっぱり無理かもしれない。

「はっ、はじめまして、Aといいます……っ」

頭を下げて菓子折りを差し出すと、「わあ、」とテヒョンさんが受け取ってくれた。
彫刻、彫刻すぎる。本当に存在している、すごい。

「口、あいてるぞ」

顎をそっと押されて、「んぐ」と閉じる。
すごいな、ユンギさんも、世界を駆け回るアイドルなのだ。

「ユ、ユンギさん」
「ん?」
「ユンギさんも緊張します」
「なんでだよ」

とりあえず促されるままにソファに腰を下ろした。息もしづらいくらいだ。

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apricot384(プロフ) - とても楽しく拝見しました!何度も読み返しました!また続きがあれば嬉しいです!最終の更新から随分経ってますがまた機会がありましたらよろしくお願いします! (2023年2月12日 17時) (レス) id: 5c0405314d (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あや*˚さん» はじめまして! 作品を読んで幸せな気持ちになっていただけるのが本当に嬉しいです( ; ; )! これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします! (2019年8月31日 19時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あや*˚(プロフ) - はじめまして。このお話大好きです。何度も読み返しては幸せな気持ちになりました。これからも楽しみにしています。 (2019年8月30日 9時) (レス) id: e2075205c1 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - ぽちさん» こんばんは! 番外編まで読んでいただきありがとうございます! 本編とは少し時間が空いてしまったのですが楽しくかけたので楽しんでいただけて嬉しいです! (2019年8月30日 0時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ぽち(プロフ) - こんばんは☆すごく大好きなお話で、定期的に何度か読み返させていただいてます^ ^番外編では、砂糖なユンギさんと、少し肉食系なユンギさんを見ることができて楽しかったです/// (2019年8月30日 0時) (レス) id: 8ba320eacd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2018年3月14日 22時

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