検索窓
今日:7 hit、昨日:23 hit、合計:329,741 hit

3 ページ3

「あ」

「あ」


あれから何度か公園に足を運んでいたけれど、再び私が彼とあったのは二週間ほど後のことだった。


今度はベンチじゃなくて、公園に入る前で。


「こんばんは」
「こんばんは」


次は白色にしたんだなあと彼の髪を見て思った。
また服装は真っ黒。
大きな星が目の前に存在しているみたいだ。


またベンチに座ると、その人も前と同じ位置に座った。
公園といっても小さいから、ベンチも一つしかないのだ。


「日本人ですか?」

「あ、はい。留学してて」

「97年生まれとか?」

「98です」


声のトーンは低いけれど、きっとこの人はいつもこんな感じなんだろうなと思った。
本当に不思議な人。

綺麗で静かで、少しだけ眩しい。


「あなたは?」

「93年。……ミン・ユンギだ」

「ミンさん。ええっと、Aです」

「ユンギでいい」

「ユンギさん」


落ち着きがあるから年上だろうとは思っていたが、予想より年上で驚いた。

苗字を言うと名前と混ざったら混乱するかなと思い名前だけ言うと、彼も小さくA、と繰り返した。

どこかで聞いたことのある名前、勘違いかな、私の。


「いつまで韓国で勉強するんだ?」

「あと半年くらいですね」

「そっか」


連絡先も知らない、知っているのは名前と年だけ。
不定期で公園で会って、他愛ない話をする。


不定期的な、曖昧でゆるい、名前のない関係は、とても心地よいものになっていった。

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (515 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
935人がお気に入り
設定タグ:BTS , ユンギ , SUGA
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

apricot384(プロフ) - とても楽しく拝見しました!何度も読み返しました!また続きがあれば嬉しいです!最終の更新から随分経ってますがまた機会がありましたらよろしくお願いします! (2023年2月12日 17時) (レス) id: 5c0405314d (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あや*˚さん» はじめまして! 作品を読んで幸せな気持ちになっていただけるのが本当に嬉しいです( ; ; )! これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします! (2019年8月31日 19時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あや*˚(プロフ) - はじめまして。このお話大好きです。何度も読み返しては幸せな気持ちになりました。これからも楽しみにしています。 (2019年8月30日 9時) (レス) id: e2075205c1 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - ぽちさん» こんばんは! 番外編まで読んでいただきありがとうございます! 本編とは少し時間が空いてしまったのですが楽しくかけたので楽しんでいただけて嬉しいです! (2019年8月30日 0時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ぽち(プロフ) - こんばんは☆すごく大好きなお話で、定期的に何度か読み返させていただいてます^ ^番外編では、砂糖なユンギさんと、少し肉食系なユンギさんを見ることができて楽しかったです/// (2019年8月30日 0時) (レス) id: 8ba320eacd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちよ | 作成日時:2018年3月14日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。