あなたを待っていた ページ36
「絶対ここにいると思った。ここにいなかったら釜山の秘密基地だと思って、すぐに向かうつもりだったよ」
「馬鹿、そんなことしたらスケジュールに響くでしょ？」
「明日はオフだからいけるな、ってノリだったからなあ」
あまりの行動力に開いた口が塞がらない。そんな私の口をまたいつかの時のように「開いてる」と言って人差し指で顎を押した。
私を抱きしめるのをやめて、グクは私の横に腰を下ろした。私と同じように膝を抱えて、そよ吹く薫風に髪を揺らされる。
「Aは僕を待ってると思ったから」
「え？」
「違わないでしょ？ だってここにいきなり来た僕を拒否することもなく、こうして受け入れてるんだし」
私を見る彼の顔は腹立たしいほど自信満々で。
眉毛なんかもキリッとしていて、可愛らしい口もとも弧を描いていた。
内側の人間にしか見せないグクの生意気な一面だ。
ああ、そうだ。友人が告白したのを知って、グクが誰かのものになってしまうのが嫌で、私は秘密基地に走ったのだ。グクが私のところに来てくれますように、私を見つけてくれますように、と祈りながら。
なんて可愛げのない子供なのだと我ながら笑えてきた。
「誰にも頼っちゃいけないと思って、1人になりたくて、何もかもやめたくなってここに来たはずなのに、私、グクが私の名前を呼んでくれた時嬉しすぎて信じられなかったの。会いたいって思いすぎた私の願望が聴かせた幻聴なんじゃないかって」
ソウルに来てグクのそばにいるようになって本当に素直になれたと実感する。言葉を濁すこともなく、思ったことを彼にそのまま伝えることができる。
まだ少しこそばゆいけれど、確実に私の頑固な心は柔くなっていた。
「……私、誰かに必要とされることに喜びを覚えて、満たされて、その制御がうまくできなくてヒャチョンくんを傷つけた」
「……うん」
グクの手のひらが私の頭にぽんと置かれた。彼の優しさには本当に頭が上がらない。
懺悔すらも、彼は静かに聞いてくれる。それがありがたくてまた目頭が熱くなった。
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ちよ(プロフ) - よるさん» 完結までありがとうございました！ 私自身恋愛がよくわからなくなっているので、それをそのまま描いちゃった感ありますね笑 次作はいまユンギさん準備中……です！たぶん！（）雰囲気が少し変わりますが頑張ります、ありがとうございました！ (2020年6月2日 13時) (
レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！最後まで面白かったです！恋愛とは定義が難しいですよね！！！相手に依存しすぎない距離感の書き方が素晴らしかったです！次の作品も期待していいですか？すごく面白かったです！！！体調に気をつけてください！ (2020年6月1日 17時) (レス) id: b117263756 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - よるさん» いえいえ！ コメントは励みになります（ ; ; ）！グクが幼馴染みちゃんをどう思っているかという視点をどうしても書きたくでぶっこみました！笑 ありがとうございます、今日大量更新の予定なのでお待ちくださいませ！ (2020年5月24日 9時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
よる(プロフ) - また感想書いちゃってごめんなさい！JKの、彼女を表す言葉は多すぎる、がとても最高だったっていうのをお伝えしたく！！もちろん、全部最高なんですけど、個人的に今回のはグッと来ました！またのお話楽しみに待ってます！！体調に気を付けて！！ (2020年5月24日 9時) (レス) id: b117263756 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - なむさんさん» ジョングクのようなキラキラした人の幼なじみってきっといろんなタイプの人がいると思いますが、憧れは誰しも抱きそうだな、と思って色々葛藤するヒロインちゃんにしました！ 心と向き合うこともテーマなので、コメント嬉しいです！見つけてくださり感謝です（ ; ; ） (2020年5月15日 16時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよ
| 作成日時：2020年5月10日 19時
