化粧が上手い人 ページ31
休みは無くなったしご飯を食べる時間も減った。飲むゼリーを勢いよく吸ってなんとか持ち堪えている感じだ。
ここまでくると食べるのが面倒にもなってきて、自分のせいで食べられていないような気がする。
「ヌナ」
「ん?」
「ヌナに似合う色ってなんなんだろうって思ってたんですけど、昨日すごくいい色を見つけて」
にこにこと取り出されたのはきれいな色をしたリップだった。私の肌のベースによく合うような、そんな色。どこでその知識を得てきたのか。
ジョングクは向上心があるから、何もしなくてもぐんぐん成長しそうだと思った。
「……私、化粧が上手い人っていうのは、器用な人をいうことじゃないと思ってるの」
こう思っている人も多いと思うが、ジョングクが私に似合うと思って選んでくれた色を見て、改めて言いたくなった。
「その人の魅力を最大限に引き出すメイク、その人に似合うメイクをできる人のことじゃないかなって、それをずっと大事に仕事をしてるんだけどね、」
丸い目と視線が絡む。
ジョングクの瞳は奥深くまで透き通っていて、あらゆるものを素直に引き受けそうな、そんな純粋さを持っていた。
眩いアミボムの光の海を映して、彼の瞳はより一層キラキラするのだ。そんな目が、好きだった。
「ジョングクはきっと、化粧が上手い人なんだろうなって思うよ」
ありがとう、と付け足すと、ジョングクはなぜかよろよろとしゃがみ込んでしまった。
一体どうしたのだろうと慌てて私もしゃがんで名前を呼ぶと、ジョングクは手で顔を隠しながら、ちらりと視線だけこちらにやった。
「そんな褒め方されたら、甘すぎてどうにかなっちゃいそうなんですけど、」
「え?」
「ヘアメイクのプロの人からそうやって褒められたら誰だってこうなります」
なぜか一緒に私も赤くなってしまって、2人して変に顔を赤くさせてしまった。
ジョングクはゆったりと立ち上がって私の手を掴み同じように立ち上がらせると、まだほんのり赤い頬のままやわく微笑んで言った。
「Aヌナ、目を瞑ってください」
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めぐみ(プロフ) - はぁ………とため息が出るほど、ちょっと目の奥が熱くなるような感覚を知るほどに素敵な作品でした、ありがとうございます(;;)みんなすごく心が優しくて、読んでいて私も優しい気持ちになりました。もし番外編など、浮かびましたらその時をまた楽しみにしています! (2022年3月15日 19時) (レス) @page43 id: 70e57b3fd4 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - 好きー (2021年8月18日 8時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - ひろさん» ありがとうございます! ラストはしりすぎたかな? とちょっと心配だったのでホッとしました( ˘ω˘ ) 続編は今のところ考えてないです( ; ; )すみません( ; ; ) 何か浮かべば番外編を書くかもなあというくらいで……コメントありがとうございました! (2019年12月19日 23時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - じゅりさん» ありがとうございます! 私自身続編系???となってましたがなんとかおさまりまして……笑 次の作品はかわいい控えめかもしれませんが、がんばります! (2019年12月19日 23時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - ラストの展開、キュンキュンしながら読ませていただきました!面白かったです!続編楽しみに待ってますね! (2019年12月19日 18時) (レス) id: 099739feed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2019年12月8日 16時