それはまるで ページ14
ホソクと会った後衣装のオンニと出会ってまた話して別れた後、さて帰るかとなった時。今度はジョングクに会った。
「Aヌナ」
「ジョングク。おつかれ。どこかいくの?」
マスクに帽子をかぶった姿を見て、外にでも出るのだろうと声をかけると、そうではなくてただの寒さ対策だったらしい。
「ヌナが見えたので追いかけてきました」
きゅ、と目を細めてそう言う。何てかわいいことを言ってくれるのだ。
「髪、ホソクヒョンですか?」
「え? うん。ホソク、何か言ってたの?」
「……ヌナの髪は綺麗だって、」
向かい合って話していたのだが、ジョングクの手が真っ直ぐ伸びてきて、私の横の髪を1束すくいあげた。
「髪型、いつもと違うくて可愛いです」
くるりと長い指に髪を巻きつけて、いつもは丸い目がすうっと伏せられた。一体どうしてしまったのだろう。
ジョングクは何も言わずに髪をずっといじるのみだ。
「でも、ヒョンが触ったんだなって思ったらムカつきます」
目線を逸らして口元に薄く笑みを浮かべる。拗ねる、というか、そういう態度を取られると思ったのに、全然かわいいという要素なしに少し苛立っているように見えて固まってしまった。
その言い方だと、まるで嫉、
……いややめよう自惚れるな。ジョングクも負けず嫌いだから、きっとこの髪型に対して僕はできないのに、的な感じなのだろう。うん。
「……ジョングク、は、時間大丈夫なの?」
「はい。今休憩時間なので」
「そっか、体壊さないようにね」
するっと解かれた髪が肩に落ちて、やっと心の中で息をつけた。
ふと、前髪が乱れているのに気がついて手を伸ばす。すっと目を閉じたジョングク。さすが、慣れているというか。
すぐに崩れてしまうだろうけれど、なんだか直してしまうのだ。
「僕の髪で編み込みしますか?」
「していいの? すっごくかわいい髪型にするけど」
「やっぱりダメ。でももっと触ってください。ヌナの触り方、優しくて好きなんです」
軽くシャワーを浴びたのか、いい香りがする。
甘えるのが上手な子だと思いながら、さらりとなんとか指を通してついでに他の部分も整えた。
「うん、かっこよくなった」
「本当ですか? 頑張ってキープしますね」
「ははっ、頑張れ。じゃあ、また明日」
「はい! お気をつけて」
変にドキドキしてしまう。
あの子、本当に女の人が苦手なのか? 出会った人たち全員恋に落とす勢いな気がするけれど。
2351人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めぐみ(プロフ) - はぁ………とため息が出るほど、ちょっと目の奥が熱くなるような感覚を知るほどに素敵な作品でした、ありがとうございます(;;)みんなすごく心が優しくて、読んでいて私も優しい気持ちになりました。もし番外編など、浮かびましたらその時をまた楽しみにしています! (2022年3月15日 19時) (レス) @page43 id: 70e57b3fd4 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - 好きー (2021年8月18日 8時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - ひろさん» ありがとうございます! ラストはしりすぎたかな? とちょっと心配だったのでホッとしました( ˘ω˘ ) 続編は今のところ考えてないです( ; ; )すみません( ; ; ) 何か浮かべば番外編を書くかもなあというくらいで……コメントありがとうございました! (2019年12月19日 23時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - じゅりさん» ありがとうございます! 私自身続編系???となってましたがなんとかおさまりまして……笑 次の作品はかわいい控えめかもしれませんが、がんばります! (2019年12月19日 23時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - ラストの展開、キュンキュンしながら読ませていただきました!面白かったです!続編楽しみに待ってますね! (2019年12月19日 18時) (レス) id: 099739feed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちよ | 作成日時:2019年12月8日 16時