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私の道標となったひと ページ31

聞いてはいけないことを聞いてしまっただろうか、面倒くさい女だと思われただろうか。

一気に不安になってきて、さきほどまで熱くてたまらなかった体の熱が引いていく。


「……彼女じゃないよ。多分Aちゃんが見たのは大学の友達」
「友達、」
「うん。……あのね、Aちゃん」
「……はい」


両手で頬を挟まれてしまって、テヒョンさんから目を逸らせない。微かに震える手で彼の腕の服をきゅっと握ると、テヒョンさんはふんわりと微笑んだ。


「俺が大事にしたい女の子は、Aちゃんだけだよ」


こつんと額同士が軽く重なり、触れるだけのキスをした。

テヒョンさんは眩しい。
どんなに暗い思考に沈んでも、どうしたいいか分からなくて暗闇で彷徨っても、明るく確かに存在していて、私の歩く道の目標になってくれる。

遭難者が北極星を真っ先に探すように、私はこの世界で真っ先にテヒョンさんを探すだろう。彼は私のポラリス。


「テヒョンさん」
「ん?」


言うなら今だと思った。これを逃したらもう一生言えない気もした。


「私、テヒョンさんのことが好きです」


見返りはもちろん求めているけれど、それよりも感謝も含めてこの言葉を彼に伝えたかった。

あの時私を救ってくれたこと。なんの義理もないのにそばにいてくれて、遊んでくれて、優しくキスをしてくれたこと。

テヒョンさんがいなかったら今ここにいなかったかもしれない。

私の世界を色付けてくれた人。
あの海で唇を重ねた時、もしかしてあの時すでに先生の恋の呪いは解けていたのかもしれない。


「あの日、私を救ってくれてありがとうございました」


暗い闇に現れた眩いポラリス。
そんなテヒョンさんのそばにいたから、私はきっと道に迷わず真っ直ぐ進めたのだろう。

あの「死んでもいい」の意味→←そのキスは背徳か否か



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ちよ(プロフ) - mochiさん» お返事遅れてすみません!テヒョンさんの不思議な魅力はいつまでも青く綺麗なのだろうなと思って書きました。細々とですが執筆は続けたいです( ˘ω˘ )ありがとうございました! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
mochi(プロフ) - 今更ながらちよさんの小説を見つけ、読ませていただきました。私もこんな青春時代を過ごせる仲間が欲しかったなぁって思いましたし、テヒョンのかっこよさが私の心をキュンキュンさせてくれました。これからも素敵なお話書き続けて欲しいです。終わってさみしい。 (2020年11月15日 20時) (レス) id: 7aaaff3998 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あきさん» 尊い高校生の青春の日々は大事にしたいなあとしみじみと思いますね……( ˘ω˘ ) (2019年11月3日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 青春したくなりました (2019年11月2日 0時) (レス) id: 93ffcf3bfd (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - BeBeさん» わあああコメントありがとうございます( ; ; )!!! 更新バシバシがんばります!! (2019年10月30日 14時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2019年10月18日 23時

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