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星の中、空気を切る ページ4

「車のゲームしよ!」
「はい!」

カバンをカゴに入れて、それぞれ座席に座ってハンドルを握る。ゲームセンターで遊んだことはあるけれど、こんなにわくわくするのは初めてだ。

ハンドルを傾けた方に体を揺らしていると、「動くタイプなんだ」と微笑まれた。

結局ゲームは全敗で、他にもバスケのゲームやダーツをしたけれど全てテヒョンさんに負けてしまった。


「そろそろ夜景いく?」


にーっと笑うテヒョンさんの目がキラキラと眩しかった。ジョングクだって澄んだ綺麗な瞳なのに、テヒョンさんの目はどうしてこんなに惹き込まれるのだろう。

ジョングクの瞳が澄んだ湖なのだとしたら、テヒョンさんの目は深い藍、夜の海みたいだからだろうか。不思議で、ちょっぴり怖くて、息を飲むほどに美しい。そんな、感じ。


「……またぎゅーってしていいですか」


ヘルメットを被してもらっているときに、あざといとわかっていながらテヒョンさんの服をきゅっと握ってそう言ってみた。無意識に強く握ってしまって、ふる、と手が震えた。

「うん、いーよ」

俯いていたからテヒョンさんの顔はわからなかった。ただ、力んでいた私の手をそっと優しく包み込んで剥がしてくれて、握ってくれて。それだけでもう泣きそうになった。


先生と恋愛ごっこをしていたとき、優しくて甘かったのにそれらはどこか空っぽだった。中身のない優しさ、チラつく知らない女の人の影、全部全部見えないフリをしていたけれど。


純粋な優しさはこんなにもあたたかいものだったのかと驚いた。


「テヒョンさん」
「んー?」
「ありがとうございます」
「どういたしまして」


秋の夜の空気は冷たかったけれど、テヒョンさんのぬくもりだけでどうでもよくなってしまう。

チカチカと目に眩しいネオンは、普段だと嫌になってしまって目を瞑りたくなるのに、今だけは星の中にいるように感じて嫌にならなかった。

バイクに乗って運転しているのはテヒョンさんなのに、なぜだかどこへでも行ける気がする、と思ってしまったのだ。

遠くで輝く一番星のように、テヒョンさんはきっとどこにいても存在を確かめられる、そんな気がした。
まだ出会って2日目なのに変なの。

この恋は呪い→←掬い上げてくれたひと



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ちよ(プロフ) - mochiさん» お返事遅れてすみません!テヒョンさんの不思議な魅力はいつまでも青く綺麗なのだろうなと思って書きました。細々とですが執筆は続けたいです( ˘ω˘ )ありがとうございました! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
mochi(プロフ) - 今更ながらちよさんの小説を見つけ、読ませていただきました。私もこんな青春時代を過ごせる仲間が欲しかったなぁって思いましたし、テヒョンのかっこよさが私の心をキュンキュンさせてくれました。これからも素敵なお話書き続けて欲しいです。終わってさみしい。 (2020年11月15日 20時) (レス) id: 7aaaff3998 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あきさん» 尊い高校生の青春の日々は大事にしたいなあとしみじみと思いますね……( ˘ω˘ ) (2019年11月3日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 青春したくなりました (2019年11月2日 0時) (レス) id: 93ffcf3bfd (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - BeBeさん» わあああコメントありがとうございます( ; ; )!!! 更新バシバシがんばります!! (2019年10月30日 14時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちよ | 作成日時:2019年10月18日 23時

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