愛しさを抱きしめて ページ27
「ただいま」
「おかえり。全部聞けたの?」
「うん。すごくわかりやすく説明してもらった」
「いい人に出会えたのねえ」
お母さんにあたたかく迎えられて、体も冷えたしもう一度シャワーを浴びて部屋に帰った。すると、いつもと変わらない部屋の中に、一箇所機になるところを見つけた。
ベッドに、大きなライオンのぬいぐるみ。
買った覚えもないし、どこかにしまい込んでいた覚えもない。
不思議に思って抱きかかえてみると、ゆらりとタグが揺れた。新品、だろうか。
部屋を出てお母さんに確認しにリビングへと入る。
「ねえ、このぬいぐるみどうしたの?」
「ああ、それ? グクくんが届けてくれたの。伝言……なんだったかな、ちょっと待って」
うーんと思い出す素振りをして、「ああ、」とまたお母さんは呟いた。
「テヒョンさんから、ですって」
「……テヒョンさん、から?」
お母さんから突如出てきた名前に驚いて、慌ててぬいぐるみに目を落とした。すると、さっき見えたタグに何か書いてあった。
【僕の名前はテテ】
切なさ、とか、じゃなくて。
ただひたすらにキュンとした。テヒョンさんに対してかっこいいなあとか、素敵だなあと感じてはきたけれど、初めて可愛くて可愛くてたまらないなと思ってしまった。
ジミンさんが時折テヒョンさんのことを「テテ」と呼んでいたのを思い出して、この子をテヒョンさんの分身だと思って抱きしめて寝よう、と決めた。
「テテ……」
タグを切り離して、定期ケースに入れてお守りにする。頑張れ、って、言われているような気がしたから。
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ちよ(プロフ) - mochiさん» お返事遅れてすみません!テヒョンさんの不思議な魅力はいつまでも青く綺麗なのだろうなと思って書きました。細々とですが執筆は続けたいです( ˘ω˘ )ありがとうございました! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
mochi(プロフ) - 今更ながらちよさんの小説を見つけ、読ませていただきました。私もこんな青春時代を過ごせる仲間が欲しかったなぁって思いましたし、テヒョンのかっこよさが私の心をキュンキュンさせてくれました。これからも素敵なお話書き続けて欲しいです。終わってさみしい。 (2020年11月15日 20時) (レス) id: 7aaaff3998 (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - あきさん» 尊い高校生の青春の日々は大事にしたいなあとしみじみと思いますね……( ˘ω˘ ) (2019年11月3日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 青春したくなりました (2019年11月2日 0時) (レス) id: 93ffcf3bfd (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - BeBeさん» わあああコメントありがとうございます( ; ; )!!! 更新バシバシがんばります!! (2019年10月30日 14時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよ | 作成日時:2019年10月18日 23時