振り向いて、ユンギ先生

借りた人 ページ21

網、平行棒、縄跳び半周、最後に借り人で二人三脚。

飴玉当てとか欲しかったなあと思いながら、形だけでもストレッチをする。

ユンギ先生は相変わらずテントの中。ちくしょう。応援してくれたっていいじゃないか。

借り人はとりあえず大きく外れない限りユンギ先生にしよう。


「ああああ網だるいいいい」
「多分動いた方が絡ま、Aちゃんやばいやばいすごいことになってる」


違うクラスの友達と被っていたが、網の中で2人で絡まったりしていると放送で応援されて恥ずかしくて笑ってしまった。

他の障害物は上手くいって、残すは借り人のみ。

お題の紙を取って「どうかユンギ先生がすこしでもかすっているものを！」と願って開いた。



「ウォ……」



1秒葛藤した、が、意を決して教員用テントへ全力疾走した。
ぱちりとユンギ先生と目が合って、先生を呼びそうになったがぐっと堪えた。




「ソクジン先生！」
「えっ僕？」
「えっヒョン？」




なぜかユンギ先生もリアクションをくれたが、クラスのためにもなるべくいい順位でゴールしたいからとりあえずソクジン先生の足を紐で結ぶ。


右足出してくださいね、と息を揃えて二人三脚でゴールをした。結果は3位。そこそこいい。

マイクの前に立って、お題を言い放つ。


「お題は何ですか？」
「ええっと、自分のことをイケメンだと思っている人です」
「僕にぴったりだね！」


これでユンギ先生を連れてきてしまったら、先生がきっといじられ倒されてしまうだろうし申し訳なくて土下座してしまいたくなっていただろう。

加えてお題を見た瞬間ソクジン先生しか頭に思い浮かばなかったのだ。ユンギ先生二人三脚チャレンジ失敗だ。


「このお題はユンギ先生嫌がるだろうね」
「なんかすみません……」
「いやー僕こそなんかごめん」


愉快に笑うソクジン先生で逆によかったかもとも思う。
いきなり好きな人とあの密着度はハードル高いなと冷静になって感じた。

閉幕→←先生の本気？

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