バイバイチャレンジ ページ3
ふあ、と何度目かわからないあくびをしてしぱしぱと瞬きをする先生はあんまり先生らしくない。
その緩いところが好きなのだが。
なんとなく、少しだけ危ない感じがする。その治安が悪めの耳だとか、微かに香る香水のような匂いだとか。大人の男の人、だ。
「なに、なんかついてる?」
「……見とれてました」
「なんだそれ」
ほら、また笑った。
ユンギ先生は担任でもある。
隣のクラスの副担任が若い女の先生だったからはじめの方は不安だったけれど、その先生はジミンくんやテヒョンくんに懐かれてて逆に大変そうだなと思うようになった。
「ほら取ってこい。窓際だろ」
「先生私の席覚えてるんですか? なんか嬉しい」
「そりゃ自分のクラスだからな」
ほんの少しだけゆっくり教室に入って、ファイルを見つけて取り出して見せると、ドアのところにもたれかかったユンギ先生が指でOKサインを作ってくれた。
なんだろう、今日、めちゃくちゃ甘い。
にやける口元をファイルで隠しながらドアまで行くと、「何隠してんの」とまた笑われた。
「はい、これ」
「はいはいイA確かに受け取りました」
「ちゃんとチェックしといてくださいね!」
「俺記憶力いいから」
「嘘だあ、前二回連続でプリント忘れたくせに」
「忘れろ」
職員室と昇降口の分かれ道、なんとなく試してみたいことがあった。
「ユンギ先生、さようなら」
ひらり、と手を振ってみると、先生は「さよーなら」と小さく手を上げてくれた。
ああもう、そういうところ、だいすき。
625人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちよ(プロフ) - 飴さん» ありがとうございます! 穏やかでほんわりした甘いお話にしたかったので嬉しいです( ; ; )! (2020年5月5日 22時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
飴(プロフ) - ぽかぽかして心あったまるお話でした! (2020年5月3日 9時) (レス) id: a89f62ee0c (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - 岩本菜那さん» 何か新しい妄想がパッと浮かんだらここに番外編書きにきますね( ˘ω˘ )! (2019年10月3日 13時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
岩本菜那(プロフ) - 続編凄い見たいです!! (2019年9月30日 16時) (レス) id: 60aae2806b (このIDを非表示/違反報告)
ちよ(プロフ) - いさなさん» ひょえー!!!! ありがとうございますー!!!! (2019年9月30日 11時) (レス) id: 9ab381c422 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちよ | 作成日時:2019年9月7日 20時