子ども扱い ページ29
***
「あの、知念さん…」
侑李「くくっ、ごめん。気にしないで…?」
.
ごちそうさまと手を合わせて
丁寧に食器をシンクに運ぶ知念さん。
笑いを堪えてそう言い放つから
余計に気になってしまう。
.
何とも楽しそうな知念さんに、
私はむぅっと頬を膨らませ。
それから空っぽになったお皿に視線を移して、
溜めていた息を一気に吐き出した。
.
実を言えば…
これ以外にも気になってることがある。
考えないようにはしていたけれど、
ふとした瞬間に、脳裏を過ぎってしまう。
.
昨日、知念さんが何気なく放った一言…
“護ってくれたよ”って。
.
まだ“その時”が来てないのに、
どうしてあんなことを言ったのだろう…
それにこの頃、知念さんの行動が
気になるのもあって。
.
もちろん、ファンである私をマネージャーにしたのは
最初から疑問に思っていたけど…
それより、少し離れただけで知念さんが妙に慌てたり。
護るのは私なのに、何故か知念さんが守ってくれたり。
.
「…何で?」
.
ポチポチと携帯をいじる知念さんを見つめて
ついぼんやりと首を傾げる。
.
侑李「ん…?」
.
その視線に気付いたのか、
ふと知念さんが顔を上げて、不意に視線が合ってしまう。
.
侑李「熱心に見つめたけど何かついてます?」
「み、見つめては…!」
侑李「え、僕のファンなのに?」
「…少しだけ、見つめてました……」
侑李「ぷっ…!」
.
噴出しそうな顔を俯いて隠し、
小刻みに肩を震わせ始める知念さん。
恥ずかしくて、穴があったら入りたい…!
.
侑李「くくっ、天然というか、素直なんだね…」
「す、すみません…」
侑李「やっ…変に誤魔化されるよりは
そっちの方がいいです。」
.
苦しそうに笑いを堪え。
最後に鼻の下辺りを触って
また携帯に視線を戻す知念さん。
.
やたらと知念さんに子ども扱いされるけど、
実は歳はそんなに変わらない。
でも今は、学生だからからかわれるのは
仕方ないけど…
.
次はからかわれないように気をつけて
本来の目的を遂行するんだ…!
.
私はそう固く心に誓うと、のんびり携帯をいじる知念さんに
親の仇を見るような視線を向けた。
***
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Ahr(プロフ) - 本当にめちゃくちゃ感動しました…!!素敵なお話ありがとうございます^ ^ (2022年7月5日 22時) (レス) @page49 id: bfc2ddf8fe (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - まーさん» 初コメントありがとうございます!感動してくださってこちらこそ嬉しいです(;_;)素敵なコメントありがとうございます! (2021年12月13日 23時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - はるかさん» こちらこそ、今年もお付き合いいただきありがとうございます!来年、、時間作ればまた作らせていただきます( ´ ▽ ` )ノ (2021年12月13日 23時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - いくさん» こちらこそコメントありがとうございます \(( °ω° ))/ このお話で感動してくださったようで嬉しいです! (2021年12月13日 23時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
まー(プロフ) - 初コメント失礼します。描写が具体的で、すっごく引き込まれました!でも、最後に近づくにつれて涙が込み上げて来て、、、 面白かったし、めっちゃ泣きました!ほんとうに、良い作品、ありがとうございます! (2021年12月3日 17時) (レス) @page45 id: 2c3bd810a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2021年11月21日 7時