今日もあなたが好きでした。(Yuri)

疑惑 ページ38

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きゅっと、鷲掴みにされる。








私たちの視線の先には、

汗をかいて、表情を輝かせてる知念さん。








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久しぶりに見るのは、知念さんが

楽しそうに踊っているところ。







HSJ全員が揃っているところ。

ずっと焦がれた、HSJとしての知念さんの姿…








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嬉しさと切なさがぎゅーっと混じり合って

なんとも言えない感情が溢れ出そうになる。








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私は半ば天井を見上げてぐっと堪えて。

でも…ふと気付いた。







“おかしい”…







.







「…やまださん、一つお聞きしていいですか…?」

涼介「ん?」








「どうして、久しぶりの公演なんですか…?」







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一瞬、やまださんの顔が強張ったのがわかった。








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だって、この時のHSJは年に二回の公演をしていたはず。

だから、“久しぶりの公演”なんて言うの、おかしい。







そんなこと言えるのは、10年後、

知念さんが事故にあったことを知る人だけで…








.







やまださんのこと、疑ってしまう。







もしかしたら。

もしかしたらだけど…







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涼介「…だって本当に久しぶりだし。」

「え…」







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やまださんが、ポツリと言葉を落とした。







視線は知念さんに向けられたままで

その表情は切ないというより、どこか懐かしげ…







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涼介「だってちぃは誰よりもファンの前で

公演をしたかったんだから。」






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