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「…っ、ゆうり!」
侑李「ぅわ…!」
.
あの人と別れてから、急いで教室に向かうと
侑李は帰り支度をしていた。
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侑李「え、A…?」
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急いで戻ったせいで横っ腹が痛い。
腰を折って肩を上下する私に、侑李は狼狽えながも、
背中を擦ってくれた。
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侑李「どうしたの…?」
.
少し掠れた声。
私は落ち着いて侑李を見上げる。
大きな瞳が私を捉えて、
侑李も、私のことをジッと見ている。
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だけど、いざとなれば
情けないほど心臓がバクバク鳴っている。
それに、ここは教室だから
私たちの他にまだ残ってるクラスメイトもいて…
.
「知念いるー?」
.
何て言えばいいか分からなくて
口をもごもごさせたとき。
教室のドアから声がして
振り向くと、有岡先輩がいた。
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侑李「…なにー?」
.
めんどくさそうな顔をして
私の横を通りすぎる侑李。
思わず私もついて行くと
侑李は先輩からチケットをもらってた。
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侑李「なにこれ?」
大貴「ふふん、聞いて驚け見て驚け!これは…」
侑李「テーマパークの招待状?」
.
有岡先輩が言い切る前に答えた侑李。
そんな侑李に、有岡先輩はつまんなそうに項垂れる。
.
大貴「親戚から貰ったんだけど
模試があるから行けなくてさ。
どうしようか考えてたら、伊野ちゃんが
知念にあげればって。」
.
チケットをペラペラめくる侑李。
そして、裏に書かれた小さな文字を見たとき…
何故か侑李からため息が出た。
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侑李「これ、今日までだけど。」
大貴「え、まじ?」
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睨み上げる侑李に
わりぃ、と手を合わせる先輩。
でも、チケットの裏面を見て
あ、と声を漏らす。
.
大貴「なら、二人で行ってきたら?」
「え?」
大貴「一枚で二人いけるみたいだし。」
.
有岡先輩の言うとおり
確かに二名様までと書いてるけど…
.
侑李「…僕はいいけど、Aは?」
「え?」
侑李「行くのが、あの人じゃなくて
僕でいいの?」
.
侑李の目が、切なく揺れた。
侑李の言うあの人は、きっと彼のこと。
さっき別れてきた、あの人…
.
「…っ、侑李とがいい!」
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まりも(プロフ) - ひささん» お返事遅くなり申し訳ございません(/ _ ; ) リアルの知念さんの懐もとても大きいですよね(^O^)良かったと言ってくださり、書いた甲斐がありました。ありがとうございます^_^ (2021年5月1日 1時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ひさ - 知念くんの器の大きさと優しさに泣けました。きっと侑李はこんな感じだと思います。凄く良かったです! (2021年4月19日 22時) (レス) id: bc0d6eba18 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - JUMPLOVE子さん» こちらこそお返事遅くなってごめんなさい。よ、読みやすいんですか!?( ; ゜Д゜)そしてぼろ泣きにもびっくりです。ありがとうございます(*/□\*)3周目も楽しんでいただけたら嬉しいです(〃ω〃)笑 (2021年1月1日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - はるかさん» お返事遅くなってごめんなさい!前作も読んでくださってありがとうございます(*/□\*)涙まで流してくださるなんて、こちらこそ涙が出そうです(>_<)ありがとうございます(; _ ;) (2021年1月1日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE子 - 遅くなりましたが、お疲れ様でした!文章下手くそなんて書いてましたけど全然そんなことないです!!とっても読みやすくて最後の最後でボロ泣きさせていただきました(;ω;)今から3周目いってきます!(笑) (2020年12月2日 22時) (レス) id: 82c7647d6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2020年11月26日 15時