それはきっと、運命。(Yuri)

Fall ページ22

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「次はここをこうして…」

「ちょ、動かないでよ!」









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新学期が始まった早々、

学園祭の準備。









年に一回の大イベントに

みんな気合が入っているよう。









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とりあえずうちのクラスは定番の喫茶店に

決まったけど、その内容というのが…









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「おっ、ちょっとは様になってるんじゃね?」

「ぎゃはは!なにそれ!」









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男女逆転喫茶店…









クラスの女子が試しにと、

男子にしたメイク。









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メイクは完璧なのに、

少し生えた髭と体格のせいで、妙に浮き出てる。









その異様な光景に笑えてくる。

だけど…









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「ねね、見てみて!

知念くんは当たり!」









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侑李のメイクをした女の子が

じゃーん!とお披露目。









女の子になった彼の顔を皆で見れば

おぉっ、とクラス中が沸いた。









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色白なのは変わらないにしても

カールした睫毛と色づいた頬。









うるうるリップは、本当に男の子かと

疑ってしまうくらい…









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「めっちゃ似合ってるじゃん!」

「よっ、看板娘!」









「つーか、普通にそこら辺にいそうで怖ぇ。」









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確かに、そうかもしれない。

男子の言葉に何人かが頷く。









だけど、当のご本人は怪訝そうに大きな瞳を眇めて、

はぁ、と息を溢す。









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侑李「僕、やりたくないんだけど。」

「いや、それ無理だから。」









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即答されて、侑李はますます

唇を尖らせる。









そういうところが可愛いんだよって言ったら

怒られそう。









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侑李「じゃあ当日はここから一歩も動かないので。」

「んん、なら撮影会でぼったくるか。」








侑李「なんだそれ。」









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ふはっ、と侑李が吹き出す。









さっきまでふてくされてたのに、元々人気者だから

もう皆の輪の真ん中にいる。








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すごいな、って思う。









口下手なのにコミュニケーション能力が高いから

友達もいっぱいいる…









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「それじゃ、学園祭は知念筆頭に

がぽがぽ稼ぐぞー!」









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委員長の言葉に、

皆が、おー!と腕を上げる。









今年の学園祭、楽しみだな…









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