それはきっと、運命。(Yuri)

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「うし、カレー作んどー。」

「米炊くどー。」









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オリエンテーション初日。









私たちのクラスは隣県の

キャンプ場に来ていた。









オリエンテーションとか面倒、なんて文句を言ってた生徒も、

当日になれば彼方此方で浮き足立ってるのが分かる。









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「わっ、Aちゃん上手!」

「え、そう…?」









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飯盒炊飯のカレー作り。









男子は火おこしとお米炊き。

女子は野菜切りに分かれての支度。









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「普段から料理してるの?」

「前まで、少しだけ…」









「そうなんだ…?」









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過去形を放つ私に

首をかしげる女の子。









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「今は作らないの?」

「作っても意味ないし…」









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私の言葉に、女の子はますます首をかしげる。

何言ってるのか分かんないって顔。









でも…本当に“意味がない”もの。









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作っていたのは、付き合ってた彼が

好きだからと言っていたからで。









それで、美味しいと笑ってくれて

私はそんな彼に何度も応えて…









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あぁ、またあの人のことを思い出してしまう。

気持ちが沈んでいく…









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振られたことは友だちにしか

言ってない。









未練たらしい、捨てられた自分。









捨てられたのに、私はまだあの人が好きで

腹が立つ。









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「はぁ…」









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自然とため息がこぼれる。









目の前の材料を無造作に切って

グツグツと煮込んで…









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