＊ ページ20
***
「お詫びに何かジュース奢るから!」
「え、い、いいです!」
「遠慮しない!
ほら、お金入れたから!」
.
自販機のボタンが光って
“ヒカ”と呼ばれる先輩に急かされる。
どうしようかと、知念くんを見れば
知らない、という感じで目配りされた。
.
「ほらほら。5…4…3……」
「え!?あ、待っ…!」
侑李「…これにしたら?」
.
知念くんの手が後ろから伸びてきて
ピッとジュースを押された。
出てきたのは、私の苦手な
コーヒー…
.
「これでいいの?」
「え、あ、いや…」
侑李「はい、ありがとうございます。」
.
慌てる私に、知念くんはにっこりと笑って
頭を下げた。
.
「そっかそっか。よかったよかった。
では君たち、テスト頑張りたまえ!」
「え、あ、ど、どうも。」
.
「ちゃんと勉強しないとヒカのようになるからね!?」
「つーか、光みたいになる方がムズくね?」
.
バイバイと手を振るので
私もつられて手を振る。
.
嵐のように去っていった…
そして私の手にあるのは缶コーヒー。
さて、どうしようか。
苦手だけど、飲むしかないよね…
.
はぁ、とため息をつく。
缶コーヒーは、大人になるための
訓練だと思おう…
.
プルタブを起こして
ゴクっと、一口飲んでみる。
うっ、やっぱり苦い…
.
侑李「……さっきの。」
「ん?」
.
あまりの苦さに顔を歪ませてるとき、
知念くんの囁きが聞こえてきた。
.
侑李「勉強だけどさ。」
「うん。」
侑李「それと僕の、交換してくれたらいいよ。」
「え、ほんとう!?」
.
満面の笑みで知念くんを見ると、
知念くんは困惑した顔で私を見ていた。
私は何も考えず、
交換と、缶コーヒーを手渡して……
***
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まりも(プロフ) - ひささん» お返事遅くなり申し訳ございません(/ _ ; ) リアルの知念さんの懐もとても大きいですよね(^O^)良かったと言ってくださり、書いた甲斐がありました。ありがとうございます^_^ (2021年5月1日 1時) (
レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ひさ - 知念くんの器の大きさと優しさに泣けました。きっと侑李はこんな感じだと思います。凄く良かったです！ (2021年4月19日 22時) (レス) id: bc0d6eba18 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - JUMPLOVE子さん» こちらこそお返事遅くなってごめんなさい。よ、読みやすいんですか!?( ; ゜Д゜)そしてぼろ泣きにもびっくりです。ありがとうございます(*/□＼*)3周目も楽しんでいただけたら嬉しいです(〃ω〃)笑 (2021年1月1日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - はるかさん» お返事遅くなってごめんなさい!前作も読んでくださってありがとうございます(*/□＼*)涙まで流してくださるなんて、こちらこそ涙が出そうです(>_<)ありがとうございます(； _ ；) (2021年1月1日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE子 - 遅くなりましたが、お疲れ様でした！文章下手くそなんて書いてましたけど全然そんなことないです！！とっても読みやすくて最後の最後でボロ泣きさせていただきました(；ω；)今から3周目いってきます！(笑) (2020年12月2日 22時) (レス) id: 82c7647d6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりも
| 作成日時：2020年11月26日 15時
