Spring ページ2
***
「A…A!」
「ん…」
.
肩を揺さぶられて目を覚ます。
目を開ければ目の前に友人がいた。
“また”あの夢を見てた…
.
「もしかしてまた元彼を思い出してたの?」
「まさか。もう忘れたよ。」
.
本当は嘘。
夢まで出てきて未練たらたら。
だけど心配させたくなくて
私は唇の端っこを上げる。
.
「本当に…?」
「もちろん。」
.
だけど、中途半端な空元気は
彼女にバレてるだろう。
私はそれに気づかないふりして
彼女から目線を逸らした。
.
「今何やってるの?」
「オリエンテーションの説明。」
.
「え、なにそれ?」
「二年の定番のお泊まり会。
新しいクラスで仲良くしましょー、みたいな。」
「あぁ…」
.
そんな行事もあったっけ…
すっかり忘れてた。
周りを見れば、担任の話そっちのけで
グループ決めに夢中のようで…
.
「それで班はくじ引きで決めるぞー。」
.
だけどその一言で空気が変わり、
ブーイングが起こる。
何でよとか、最悪などの非難に
担任は毎年恒例、とすっとぼけた。
.
「次、Aの番だよ。」
.
回ってきた箱に手を入れて紙を取る。
クジに書かれた番号は3…
全員引き終えて、班ごとに分かれた。
.
「よろしくねー。」
「こちらこそ。」
.
グループのメンバーは男女混合で6人。
女の子は比較的仲のいい子で安心。
男の子は…
.
「…3班ってここ?」
.
話しかけられて、振り向く。
私より5センチ高い目線…
.
「うん!知念くんも?」
.
女の子が首を傾げると
頷く彼…知念くん。
それから、近くの椅子に座った。
.
知念くん…知念侑李くん。
運動神経が良くて、頭も良い。
身長は小さい。
そして、極度の人見知り。
そんな有名人だから、初めて同じクラスになった私でも
一方的に知念くんを知っていた。
.
だけど、この時は知念くん…
侑李のことなんて、
これっぽっちも気にしてなかった。
.
あの時の私は、彼に振られて
いつまでも引きずってる…
何もかも、どうでもよかった。
***
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まりも(プロフ) - ひささん» お返事遅くなり申し訳ございません(/ _ ; ) リアルの知念さんの懐もとても大きいですよね(^O^)良かったと言ってくださり、書いた甲斐がありました。ありがとうございます^_^ (2021年5月1日 1時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ひさ - 知念くんの器の大きさと優しさに泣けました。きっと侑李はこんな感じだと思います。凄く良かったです! (2021年4月19日 22時) (レス) id: bc0d6eba18 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - JUMPLOVE子さん» こちらこそお返事遅くなってごめんなさい。よ、読みやすいんですか!?( ; ゜Д゜)そしてぼろ泣きにもびっくりです。ありがとうございます(*/□\*)3周目も楽しんでいただけたら嬉しいです(〃ω〃)笑 (2021年1月1日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - はるかさん» お返事遅くなってごめんなさい!前作も読んでくださってありがとうございます(*/□\*)涙まで流してくださるなんて、こちらこそ涙が出そうです(>_<)ありがとうございます(; _ ;) (2021年1月1日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE子 - 遅くなりましたが、お疲れ様でした!文章下手くそなんて書いてましたけど全然そんなことないです!!とっても読みやすくて最後の最後でボロ泣きさせていただきました(;ω;)今から3周目いってきます!(笑) (2020年12月2日 22時) (レス) id: 82c7647d6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2020年11月26日 15時