*-＊契約結婚・3＊-*

記憶の断片 ページ8

・


ふと点と線が繋がったトキ＿＿＿＿＿



無意識に口から出た言葉に



キムさんは涙ぐみ
オッパは私を抱きしめた


これくらいわかる。




きっと記憶の断片なんだ………………





だけど、


私には意味のない言葉で
それ以上聞かれても答えられないから



もどかしさと歯痒さが心の中で交差する




・


・


YS「A……………」


オッパは私の名前を呼んで


YS「何か思い出したかっ！？
俺が誰かわかるかっ！？」



…………………………………。



ううん。

小さく首を横に振ると


YS「ゴメン…………
急ぎすぎたな。」


なんて………声のトーンが下がるから


「ごめんなさい…………」

私も同じように気持ちが凹んでしまう………


「やっぱり似た者同士ですね。

まるで鏡みたいです(笑)」


キムさんがニッコリ微笑むから


YS「似てないでしょ」


「いいえ、似てますよ(笑)」


そんなやり取りをボーッと聞いていると


YS「疲れたか？

少し横になるか？」

私の背中に手を回しゆっくり体を倒す


その一連の動作にドキドキする私の心臓

近距離で視線がぶつかると
瞬きすらできなくて

息も止まったまま
オッパの視線に吸い込まれた



YS「どした？顔、赤いぞ？」

「ジョンウンさんっ
女心ですよ！

私、お邪魔なので先に外に出ていますね。」


キムさんがオッパにヒソヒソと耳打ちして部屋を出ていく。


YS「A……………」


もう一度抱きしめられ
オッパの香りをたくさん吸い込む


この匂い＿＿＿＿＿


前にも覚えがある




確か…………………





急に倒れた日



私を抱きしめてくれたあの温もりと匂い






オッパだったんだ………………






ゆらゆら私の視線が泳ぐと


YS「キスしていいか？」




ストレートに聞かれた言葉に

ただ、驚きと戸惑いでいっぱいだった私




YS「記憶が戻ってからにするか」


私の頭に手を乗せて立ち上がると




YS「また来るよ。」


そう言って部屋を出て行った









その日は


ドキドキしたまま眠れなくて


思い出すだけで顔が火照って



久しぶりに熱が出た…………









オッパと私。






どんな関係だったの……………？

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