*-＊契約結婚・3＊-*

はじめの一歩 ページ33

・


何気なくホテルの近くの工場に貼ってあった求人募集に目をやると


・住み込み可
・日勤夜勤あり
・椅子に座ってラインの仕事
・日払い可能


私は衝動的に電話をかけていた。


今まで正社員では働いた経験はないけれど
私の「今からでも働きたい」という思いを受け入れてくれて、すぐに採用になった。


一番心配だったのは


事故の後遺症で、
まだ長時間立っていられないこと＿＿＿


それだけ。


「うちの工場は見たらわかるけど
足やら腰やらが痛いって言うオバサンばかりだよ。
でもね口だけは元気だから〜(笑)
まぁ、負けないで働いてね！」


優しい社長の言葉に嬉しくなった。


・



・



次の日。


工場に向かうと社長が出迎えてくれて


「今日から働いてくれることになったAさんだ。

いいですか？
あなた方は先輩ですよ。
若さに妬まず優しく指導して下さいよ〜(笑)

特に、ミョンさん！

よろしく頼みますよっ！」


私〜？と自分を指差したのがミョンさん
ここのリーダーでベテラン。

「わかってますよ〜はいはい。
可愛い子ちゃんを苛めるなってことでしょ？」


まぁまぁ、ひがまないの。
ミョンさん、気持ちは若いから〜(笑)

なんて同僚の方に言われて歩きだす後ろをついていく


「名前！何だった？
ほら、さっき聞いたのに忘れちゃったじゃないか〜」


「Aです……………」

「Aね。まず今日は初めてだから私の仕事を見ていて。あとで出来そうならやってもらうから」


私は必死にミョンさんの手元を見て覚えた。


「やってみるかい？」

「はい……」


ラインの動きを止めないように
手早く作業をする

テンポよく丁寧に。


「やっぱり若いわ。飲み込みも早いし」


ミョンさんに褒められたことが嬉しくて
一生懸命作業に取り組んだ。



お昼休憩。


ミョンさんが
「イヤじゃなかったら食堂に一緒に行くかい？」

と誘ってくれた


今日はカレーライス

「まかない付きってありがたいよね〜」


「ね、なんでここで働くことにしたんだい？
まだ若いんだから、もっといい仕事あるでしょ？」

ミョンさんからの質問に


「実は………事故に遭って……

記憶を失って足もケガして
まだ後遺症が残っていて、立ち仕事ができないんです………」


初対面なのに、こんな話するなんて………


「若いのに大変ね」


そう言って新聞を開く。




「あのっ、ちょっとっ」



思わず横から覗き込んでしまった。






イェソンさん？


婚約発表……？

My Princess……＊RW＊→←こうなる前に気づくべきだった＊YS＊

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