*-＊契約結婚・3＊-*

受話器の向こう側＊KH＆RW＊ ページ16

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-KH side-


Aちゃんの病棟から少し離れた廊下


ポツンと置いてある長椅子に座り溜め息をつく



KH「リョウガに伝えなきゃ」


リダイヤルをタップして
機械音が耳を素通りする



RW「もしもし…………」



少しだけくぐもった声。
いつもなら騒がしい音がするのに
今日は無音で。



KH「病院、行ってきたよ。
お前の勘、当たってたわ(笑)
Aちゃん、屋上まで1人で行って自分の存在を消したいって。

悪いけど、甘ったれるな……って叩いてしまった


リョウガが自分の命を差し出しても助けたいって気持ち、知ってるから。
…………ゴメンな。」


RW「そっか。わざわざありがとう。」


KH「どした？リョウガらしくないじゃん」


RW「別に。いつも通りだよ」


違う。
言葉にハリがない。

誰かといるのか………？


KH「あっ、でも少しずつ記憶が戻ってきてる。
俺たちのこと、オッパ呼びじゃなくなった。
あの頃みたいに、〜さん付け！

年齢も覚えてる。
好きなケーキはリョウガのミルフィーユだって

それから………………」


俺は言葉に詰まった


住んでる場所は思い出せない＿＿＿＿＿


帰る場所がない。って…………………



RW「キュヒョナ？」



KH「住んでる場所がわからないって。

帰る場所がないから

住む家と仕事を探してるって……………」



RW「ヒョンが…………

どうにかするんじゃない？


外出許可を取るって言ってたし………


このままうまくいけばいいでしょ」



KH「リョウガ……………？」



RW「ありがとう。キュヒョナ。」



プチっと切られた電話




リョウガの様子がおかしい

アイツらしくない

何があったんだ？




ヒョン………………？





外出許可を取るって？

ヒョンが？


その話、いつしたんだ？





リョウガの店に慌てて電話をする


KH「もしもし。

店長いる？代わって！」



「店長なら、さっき社長と出ていかれましたよ。
そのまま帰るって言ってましたけど………」



一足違いか……………



俺は久しぶりにリョウガのトレーニングルームに車を走らせた






頼む。


リョウガ
あの思い出の場所にいてくれ……………


俺の願いは一つだけ。



ヘンなこと考えるなよ………………

どうして好きになってしまったんだろう？＊RW＊→←今、何て呼んだ……？＊KH＊

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