ふぞろいのリンゴ ページ39
・
目が覚めると身体中が痛くて重い
熱…………？
そう言えば雨に濡れたからかな？
ゆっくり目を開けると、心配そうに覗きこむキムさんの姿が見えた。
「奥様、大丈夫ですか？」
「はい………えっと、私……どうして？」
何故ベットに寝ていて
隣にキムさんがいるのか
今の私の思考回路では到底飲み込めなくて
キムさんに聞くと
「玄関の前で倒れていた奥様をジョンウンさんが運ばれて、側についていましたよ。
今、用事があって外出していますが。
私を呼びに来た時の、ジョンウンさんの表情がすごく心配そうで……初めて見ました、あんな表情を(笑)」
倒れた………？
またイェソンさんに迷惑かけちゃった……
「すみませんでした……」
「謝らないで下さい。
お水と口当たりのいい果物を用意してきますからゆっくり休んで下さいね。」
キムさんが部屋を出て行ってから、
どれくらい時間が経っただろう
ボーッと天井を見ながらゆっくり目を閉じると
部屋のドアが開く音がした。
「すみません、ありが…………っ」
体を起こすと、目の前にいたのはイェソンさん。
YS「大丈夫か？無理するな。」
水と果物を乗せたトレーをベッドの横に置いて、端に座るイェソンさん。
ギシっと片側だけ沈むベッド
すごく近距離で目が合う。
それだけで心拍数が急に速くなる………
YS「飲めるか？」
渡された水を飲み干すと
YS「食べるか？」
フォークに刺さったリンゴ。
よく見ると形が不揃いで、違和感を感じた。
「これは………キムさんが………？」
思わず口にすると
YS「いや、俺が……………」
「えっ？」
YS「初めてに近いかも。包丁を持つなんて」
「ごめんなさい………」
YS「何で謝る？
キムさんが隣で心配そうに見ていたけどな(笑)。」
クスクス笑うイェソンさんからリンゴをもらい
口に運ぶ。
甘く美味しいリンゴの味が口いっぱい広がる。
「美味しい…………」
クスっと笑った私を見て
YS「初めてだな、俺の前で笑ったのは。
いつも怯えていただろ？
笑えないかと思っていたよ。」
いつもより穏やかな声と口調。
イェソンさんの新たな一面を垣間見ることができた。
YS「何かあったら呼べ。」
そう言って渡された携帯。
久しぶりに私の手元に戻ってきた。
イェソンさんが部屋から出て行った後
携帯の電源を入れた。
着信歴も未読メールもない。
それは
イェソンさんが開いたから？
リョウクさんからのメールがたくさん届いていた………
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 818人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
向日葵(プロフ) - manmaruuさん» 初めまして。コメントありがとうございます(*^_^*)完結した作品を読んで頂きコメントを貰えるのはホントに嬉しい限りです！作者にとっても思い入れのある作品になりました。一緒に楽しんでもらえますように☆これからもお付き合い下さいね( *´艸｀) (2019年10月1日 22時) (
レス) id: fc49dfefaf (このIDを非表示/違反報告)
manmaruu(プロフ) - コメント失礼します！superjuniorのイェソンさんとしての恋愛物語を好んで読んでましたが、向日葵さんの描き方がすばらしく、すぐに物語に入ることができました。イェソンさんもリョウクさんもキュヒョンさんも性格のクセはそのままに本当に楽しませて頂いています！ (2019年9月29日 23時) (レス) id: 786210485f (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - ayaさん» 初めまして。コメントありがとうございます！一緒に感情移入してもらえると嬉しいです(*^^*)この先も楽しんでもらえますように♪ (2019年2月20日 8時) (レス) id: fc49dfefaf (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 他のお話たくさん拝見させて頂いてましたが、こちら初めて読みました。もう序盤から涙を流してグズグズなりながら読んでいます(ノ_＜)一気に読めてありがたいです。胸が痛くなりながらも優しくなってきた兄さんにやられてます！続きも楽しみます！ (2019年2月18日 21時) (レス) id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - しあじゅんちゃんさん» しあじゅんさん、初めまして！コメントありがとうございます！今日中にパスを外しますのでもう少しお待ち下さいね。 (2016年8月20日 14時) (レス) id: 595a038cb0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：向日葵
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/sjkorabolist01/
作成日時：2016年5月22日 5時
