*-＊契約結婚＊-*

言葉にできない感情＊YS＊ ページ36

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-YS side-



KH「ヒョン、ちょっ、あれっ！
Aちゃんじゃない？」


珍しく声を荒らげるキュヒョナが指差す方。

玄関の前のタイルに倒れている彼女………


YS「おいっ、Aっ、、、
何やってんだ！バカかっ！」


抱き上げると
思ったよりも軽い体と濡れて冷えた体温。


浴室に運び、頭から熱いシャワーをかけた。


KH「ヒョン、ちゃんと看病してあげて下さいよ。
こんな風になるまで放ったらかしてしたんですからね。じゃあ、帰ります。」

俺は財布から無造作に札を抜き取ってキュヒョナに渡した。

YS「悪いな。タクシー呼んで帰ってくれ。」


湯気が立ち込める浴室。

彼女が、ゆっくり目を開けた。
視線が俺を捉え、両目から溢れた滴は涙か水滴かはわからない。

「ごめんなさい…」

シャワーの音に負けそうな声に、

YS「後は、自分で着替えろ」

バタンと浴室のドアを閉めた。


彼女にシャワーをかけた時に見えた肩の痣。
あまり詮索すべきじゃない気がして、浴室から離れた。

グラスに水だけ用意しておき、ベランダで煙草を吸う振りをする。


リビングに入って来た彼女は強張ったまま
俺に頭を下げ、手摺をしっかり掴みながら階段を登りかけた。


YS「おいっ、水ぐらい飲め！脱水になるぞ。」


俺の一言に、肩をビクッと震わせキッチンに戻る。


YS「なぁ………
何をそんなに怯えてる？俺が怖いか？」


下を向いたまま首を横に振る


バスローブから覗かせた足
見えたのは……靴擦れの痕


YS「本当に歩いて帰ってきたのか。」


小さく頷く彼女に無性に腹が立って
グラスを取り上げ、そのまま押し倒した。


驚いて声も出ない彼女
体は尋常じゃないくらいの力が入ったまま。


YS「リョウガにも、そんな顔を見せたのか？
小悪魔は怖いな。
お前のことだよ、わかるか？」


握った手首は折れそうで、無意識に顔を近づけた


ギュっと目を閉じて、唇を噛みしめる姿に
唇を避け首筋に噛み付いた


「…………ッ！」

突然の出来事に首を竦めながらも抵抗しない彼女の目から流れた涙。


YS「リョウガは優しかったか？
だったら、リョウガに癒やしてもらえ。」


ゆっくり起き上がって
俺の前から風のように消える彼女。


どうして優しい言葉の一つもかけてあげられないのか。
いつも傷つけて泣かせてばかり。

寝れないまま時間だけが過ぎていく。


ふと2階から響く声


「イェソンさんっ、ごめんなさいっ！」


部屋のドアを開けると魘されながら泣きじゃくっていた

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