152:ピクニック ページ6
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見上げるほど吸い込まれそうな青い空。
目の前には島ひとつない水平線。
柔らかな暖かさが身を包む初夏のピクニック。
隣には君が微笑んでいる。
『ゲン、今日のためにね、果物をいっぱい採ってきたんだよ』
こんな幸福でいいのだろうか。
未来「ニッキーちゃんとな〜!籠持ってな〜!果物の名前も覚えたんやで!これがすもも、これがびわ、これがさくらんぼ〜!」
ゲン「ゴイスー!びわなんて俺も見ただけじゃわからないのよ!大人じゃない未来ちゃん!」
未来「せやろ〜!」
お昼休憩の僅かな時間に、張り切って道具一式を運んで浜辺まで訪れたゲンたちは、ブランケットを敷いて木陰でひと休みする。
まだ水着も無いので、ふんどし一丁ではしゃぐ大樹を微笑ましく眺める杠。
果物にかぶりつくスイカと未来。
傍の浜辺で日光浴をしながら仲睦まじく会話をするニッキーと南。
午後の仕事までの時間は無いが、穏やかな時間が流れていた。
『未来、食べ終わったら貝殻を拾いに行こう』
未来「落ち着き〜や琴寧ちゃん、こーゆうもんは焦ってやるんと違うで」
スイカ「未来ちゃん、大人なんだよ…!?スイカも今急いで食べようとしちゃったんだよ!」
『すまない、張り切りすぎたね』
なんだかませた様子の未来。
こんな世界で目が覚めてから、2ヶ月そこらしか経っていないのにも関わらず、琴寧よりもわかったような感じの口調に、一同は目を見開き、拍手をした。
1分後、大人しくお昼ご飯を食べ進める3人に、未来がもじもじしだす。
悔しそうに、そして楽しそうに、立ち上がって元気に走り抜けて行った。
未来「……うーん!でも早く作りたい!やっぱ行こうや!!」
スイカ「ま!待つんだよ未来ちゃん〜!!!」
『……置いていかれてしまったね』
ゲン「子供は元気ね〜、ジーマーで。」
よっこらせ、とゲンが立ち上がり琴寧をおぶる。
波打ち際の暖かい浜辺をゆっくりと歩き、貝殻を探す2人の所へ向かった。
ゲン「今日は暖かいね」
『ああ、これから司の所に行かなくてはいけないから、体を温めておかなくては』
ゲン「じゃあここら辺で日光浴でもしよっか」
『未来たちに怒られるぞ』
琴寧を渚の少し手前で降ろし、自分も隣に座って白い砂浜に体を投げ出す。
彼女はしばらくこちらを見た後、ころんと隣に寝っ転がった。
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AKU(プロフ) - めっちゃ面白すぎます!!更新待ってます! (4月5日 21時) (レス) id: 7e29cefaa6 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - こちらこそありがとうございます! (1月22日 6時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» わかります!!🍀*゜いつもコメントありがとうございます!!- ̗̀ ෆ( ˶'ᵕ'˶)ෆ ̖́-🩵🩶🩷 (1月13日 17時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんの純粋さが可愛いすぎます!!! (1月9日 13時) (レス) @page15 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 続編嬉しいすぎます! (1月9日 13時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗子 | 作成日時:2023年12月26日 23時