こんな世界でも愛を教えてくれますか4 (ページ4)

今日:3 hit、昨日:23 hit、合計:12,055 hit

150：情報共有ページ4

，

羽京｢琴寧ちゃんが？｣

気球を作ると千空が決めた日の電話から、一切話もしていなかったのに、いきなりのコンタクトで心臓が飛び跳ねる。

今回の気球旅行でも来なかったわけだし、てっきり、もう約束は無くなったものだと。

クロム｢“金色の猫じゃらしが届く頃そちらに向かおう”だとよ！猫じゃらしって千空の言ってたエノコログサってやつだろ？緑色のしか見たことねぇけど、そんなのあんのか？｣

羽京｢金色…？エノコログサ……？？？｣

聞き覚えのない植物の名前に首を傾げるも、暗号と言うわけでは無さそうだ。つまりはこちらに向かう意思はまだあるという事だろう。

いきなり泳ぎを教えろと言われても困るし、そこら辺の配慮だろうと、伝言を託したのはわかるが。

羽京｢(…後で千空に聞いてみるか……)｣

少し、億劫だと、思う所もある。

コハク｢宴の席だ！！下世話な話でもしよう！！｣

羽京｢えっ、まってコハクちゃん｣

ぼうっと彼女の事を考えていると、宴という事もありテンションの上がったコハクが大声で千空の肩を組む。

冷静な千空は耳を塞ぎ嫌そうな顔をしていたが、それでもコハクは止まらず千空の襟元を引っ掴んだ。

コハク｢琴寧の話を聞かせろ、さもなくば琴寧不足で私が泣き喚く。今ここで。｣

千空｢は？｣

コハク｢いいのか？年甲斐もなく地団駄を踏むぞ。｣

千空｢マジでやめろ｣

顔を青ざめた千空が大人しくコハクと別れた後から今までの琴寧の動向を話し始める。

コハクは千空の正面に座り、あぐらをかいて興味津々に聞き入った。

コハク｢………っな……新しい服、だと…！？｣

龍水｢俺がプレゼントしたのだ！！｣

コハク｢なんて事を…！！一刻も早くこの目に焼き付けねば…っ！！｣

千空｢オメーは琴寧のオタクかよ｣

想像もつかぬ琴寧の新しい衣装、コハクとて容姿にこだわりがある訳でもないが、特別な人間のイメチェンなんて、やっぱり気になるのだ。

コハク｢羽京〜！！私たちはめっぽう損をしているぞ〜！！｣

羽京｢あはは｣

千空｢愛想笑いじゃねぇか｣

結局ゴロンと寝っ転がり、じたばたと地団駄のようなものを踏んだコハク。

同じ結果になった事に千空が呆れながらも、全くもって琴寧の話題にも距離のある笑顔を保ったままの羽京に違和感を覚えた。

，