こんな世界でも愛を教えてくれますか4 (ページ23)

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169：和解宣言ページ23

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『そこで陽がなんと言ったと思う？｢俺は南ちゃんとアツい夜を過ごせればお前なんて何でもいいの！貧相な身体しやがって、もっと食いやがれ！｣って！』

羽京｢うっそー！デリカシー無さすぎ！｣

『陽は南の豊満な身体に惹かれているようだが、その事を南に話したら、心底嫌がってしまってね。これが｢キモい｣という感情なのだと思っていた！』

羽京｢話しちゃったんだ！ちょっと可哀想！でも合ってるよ！それもキモい！｣

彼女の話に眉を下げ爆笑する男、西園寺羽京。

先程までの緊迫感はどこへやら、驚く程に気の抜けた4人は溜息を吐く。

一体何の話をしているんだ。

コハク｢随分と充実した水泳教室だったようだな｣

『あぁ、コハク、息継ぎの仕方を教わったよ！』

クロム｢いや、それだけかよ！？｣

これだけ待って、教わったのは、石神村の村民じゃ物心着く前に習得する息継ぎ。

サルファ剤を作ったあの琴寧ならば、もっと進歩しているはずなのだと思ったが。

不自然なアリバイに千空が違和感を覚える。

絶対に2人の中で何かが変わったのだが、2人はそれを話す気は無いのか、クロムやコハクと話していた。

龍水｢…なんだ？ライバルが増えて不服のようだな｣

千空｢うるせぇ、テメーもだろ｣

なんだか、そっぽを向くような言葉。

意外にも素直な彼の感情表現に面白くなりながら、彼女の元へ向かう。

望まない形で裸体を見てしまったことを謝ると、彼女は機嫌が良いのか、笑って髪を撫でた。

『私も君たちには望まぬものを見せてしまって申し訳なく思っている。昔から露出と恥じらいが結びつかなくてな…』

龍水｢安居院財閥は一人娘にどんな教育をしているんだ｣

『一人娘の体を愛人の色男に洗わせている』

沈黙が訪れる。

すると羽京と琴寧が目を合わせて、閃いたように声を合わせて大笑いした。

｢『きっもーーー！！！』｣

クロム｢何だ急に！！｣

羽京｢いや、乳母さんとかいなかったの？嘘、何その状況、笑えなすぎる｣

『いや笑ってるじゃないか、財閥のことでこんなに笑ったのは初めてだ、お腹が痛いよ』

そもそも、羽京の、こんなにも笑っている姿は初めて見た。

このうるささでは就寝中の石神村の住人に迷惑がかかると、展望台まで連れていく。

その夜は琴寧と合流したての難しい雰囲気は無く、年甲斐もなく騒ぎ散らかした。

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