こんな世界でも愛を教えてくれますか4 (ページ22)

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168：最悪の相性ページ22

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コハク｢羽京……大丈夫だろうか｣

真夜中、なんだか寝付きの悪い温泉組は、石神村の面々が就寝したあとも村を出て彼らの帰りを待つ。

コハクの発言に、羽京の弓術を身をもって知っているクロムは首を傾げた。

クロム｢羽京が？電球も渡したしよ、アイツなら超ヤベー耳のなんかで帰って来れんだろ｣

コハク｢いや、そこは私も心配していない｣

では、何故？

更に首を傾げる。

すると欠伸をした千空がクロムの方を向いてコハクが言いたいことを翻訳する。

その声色は少しだけ楽しそうで。

千空｢……ちぃと、琴寧とは相性が悪いって話だろ｣

龍水｢なんだ、ライバルが減って嬉しいような口ぶりだな。｣

千空｢そんな事言ってねぇだろ｣

そっぽ向いて話を打ち切られる。

コハクはこちらの言葉には興味が無いのか、コメントは残さずすぐに相性の話に戻った。

コハク｢お互い平和主義に見えるがな｣

千空｢何言ってやがる。琴寧はずっと、司寄りの思想の持ち主だぞ｣

コハク｢え、えぇ！？あんなに、御前試合が嫌だと駄々をこねていたのにか！？｣

千空｢それは血みどろの争いが嫌だって話だろ。アイツの思考は超絶独善的合理主義。

その他大勢は切り捨てるっつー司や氷月より危ねぇ思考の持ち主だ。｣

そう、羽京の見立て通りギリギリの戦いだったのだ。

あの日、司が琴寧の足を切っておらず、彼女が自由に身動きが取れる環境だったなら、司帝国は完全に彼女の支配する帝国となり、今頃科学王国も負けて支配下となっていただろう。

千空｢どこでアイツの気分が変わったのかは知らねぇ。ただ、ゲンが石神村にアイツを連れてきて、俺達が交渉できたのがデカかったんだよ、｣

コハク｢そうだったのか…｣

そんな琴寧と、自分の身を差し出してまで無血開城を懇願して来た羽京が、意見の相違で喧嘩しないとは言いきれない。

もし琴寧が大きな失言をして羽京が怒り、温泉街に置いて行かれでもしていたなら、逆上せる前に迎えに行かなければ。

羽京も大人だ。そんな事はしないと思うが。

コハク｢そんな事を言っていたら、帰ってきたじゃないか！良かった！｣

人の足音が聞こえる。

何だか声量が大きいような気がしたから、言い合いでもしているのかと4人でかけよれば、

なんだか2人は拍子抜けするほど楽しそうな話で盛り上がっていた。

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