こんな世界でも愛を教えてくれますか4 (ページ3)

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149：大層な御馳走ページ3

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夜。

石神村。

新しく科学王国の仲間に加わった龍水の歓迎会と、千空率いる科学王国の完全勝利の凱旋記念を込めて、ささやかな宴が開かれる。

普段じゃ考えられない程豪華な食事にクロムは両手を上げ喜び、旧世界じゃ考えられない程拍子抜けの食事に龍水は歯を食いしばった。

龍水｢ふぅん、まさか琴寧にもこの食事を振る舞ったと言うんじゃないだろうな｣

コハク｢ルリ姉の病気が治った時の宴で振る舞ったぞ！｣

龍水｢千空！！！｣

千空｢アイツが猫じゃらし麺拒否ったんだよ｣

目の前の相手の毅然とした態度に龍水が拳を握りしめ決意する。

琴寧に、我が執事の料理を振る舞ってやらなくては。

ならば、あの料理人が欲しがられるところまで、誘導すればいいだけの話だ。

琴寧に貰った一輪の花に口付けをして、千空に向き直った。

龍水｢千空！！琴寧の今の体型、思う所が無いか？｣

千空｢あﾞ？｣

コハク｢千空に見た目の話は通じないぞ｣

手に持った魚をくるくると顔の前で回し、彼の興味のありそうな話を持ち出す。

そう、千空は琴寧の容姿に一切の関心を持たない。

それは彼女に衣服をプレゼントした時からわかっていた事だ。

なら千空は、琴寧の何に興味を示すのか？

龍水｢そう、琴寧は今、明らかに痩せすぎだ。｣

ピクリと、千空の眉が吊り上がった。

龍水｢再び見たく無いのか？旧世界の高価な食べ物を惜しみもなく与えられ、まるで赤子の様にふっくらとした琴寧の頬を！｣

千空の動きが止まる。

声色、匂い、触感。

人間が感情を捻出するのは視覚的情報からだけでは無い。

旧世界から琴寧を知る2人だけが、彼女の過去の頬に思いを馳せる。

一方で旧世界を知らないコハクも琴寧のその姿を想像し、ゴクリと固唾を飲んだ。

羽京｢……えっと、3人とも、大丈夫？｣

コハク｢その話、詳しく！｣

羽京｢コハク？？？？｣

調子付いた龍水がいつものように大きな声でコハクに話をする。

70億人復活させると言えど、優先順位はある。

彼の交渉する琴寧の未来の姿の条件が復活者の権利1人分というのなら、よく考えなくては。

千空が顎に手を着いて熟考を始めた。

羽京｢琴寧ちゃんはすごいなぁ｣

クロム｢おう、羽京。そういや琴寧からテメーに伝言だぜ。｣

羽京｢え？｣

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