こんな世界でも愛を教えてくれますか4 (ページ15)

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161：インスピレーションダイブページ15

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千空｢凄腕ソナーマンが随分集中してるじゃねぇか｣

内容はともかく、久しぶりに聴く彼女の声に意識を持っていかれていると、千空がクロムとの会話から脱線して話しかけてくる。

うつらうつらとしているのがバレたか、千空は面白そうにこちらを眺めていた。

羽京｢……少し逆上せたみたいだ。もう上がるよ。｣

目覚ましに髪をかきあげて湯で顔を洗う。

湯から上がり、熱冷ましに石鹸で体をあらう。

こんな世界になってから、ゆっくり温泉に浸かって、体を温めることなんてなかったから、まだ体が動揺しているようだ。

自分の鼓動が早いように感じた。

クロム｢やべー！羽京！銀狼みてーな顔なのにマグマみてーな体しやがる！！｣

羽京｢マグマっ？そんな鍛えてるつもりは無いよ、あんなボディビルダーみたいな…｣

千空｢クククッ、つまり童顔とそのムキムキの体がアンバランスっつー事だろ。マグマとまではいかなくともよ、｣

龍水｢ハッハー！羽京！貴様は元海自だからな、体作りで言えば、復活者の中でも随一の努力家だろう！！違うか！？｣

羽京｢一応国防なんでね、あんまりじろじろ見ないでくれる？恥ずかしいから…｣

バシャりと飛沫を上げながら立ち上がった龍水から目を逸らしてクロムの顔に湯をかける。

子供な彼は｢ぷぺっ｣と言いながら温泉を振り払った。

すると遠くから、というかやはり、彼女の方から、

小さく、そうか、と納得する声が聞こえてきた。

その後に、コハクの制止する声と、バシャバシャと水面を蹴る音が聞こえる。

羽京｢…？｣

そしてそれは千空も聞こえたらしく、騒いでる様子の女子風呂に目を向けていた。

龍水｢千空、今そちらに目を向けるのは無粋だぜ｣

パチンと、彼が指を鳴らすと同時、

長い蔓が彼の体に巻き付き、

コハク｢……っ琴寧！！｣

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空から彼女が降ってきた。

羽京｢…………………………え！？｣

『羽京！！私は気付いてしまった！！温泉だ！！』

羽京「は！？」

ほぼ反射の域で手を出して受け止めたは良いものの、石鹸で滑るので落ちないように引き寄せる。

腕に大人しく収まり恐ろしく顔を近付ける琴寧。

全員目を丸めて彼女を信じられないものを見るような目で凝視している。

『この温泉を使って泳ぎの練習をすればいいんだ！』

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