こんな世界でも愛を教えてくれますか4 (ページ13)

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159：汗を溶かすページ13

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夜、石油探しの傍ら、一休みに入った石神村。

龍水が金を払うと言うので、小遣い稼ぎに温泉地帯まで案内すれば、一瞬で褌一丁になり湯船に飛び込んだ。

千空｢やめろ！！勢いで水が無くなる！！｣

『コハク、これを龍水に渡してくれ』

杠作の巾着袋、中には色々な種類の薬草が入っていて、ひとつ匂いを嗅いだだけでリラックスするのがわかる。

コハク｢いい匂いだ…｣

『司帝国にいる間集めていたんだ。君がお風呂に入れた薬草を喜んでくれていたから。』

コハク｢あれから実に1年ぶりだな！｣

女子も離れたところに即席の柵を設置し入浴する。

スイカがいない露天風呂は静かだ。

『これはドクダミ、これはタイム、この白いお花はカモミール、この紫のはラベンダー』

コハク｢………やっぱり、琴寧、太ったな！？｣

そうでも無いらしい。

『感覚で言えば、5kgほどかな』

コハク｢何だこの太ももの感触！最高じゃないか〜！｣

『みんな太ももが好きだね。そろそろ湯船に入りたいんだが、手を離してくれないか？』

コハク｢ふむ、胸は以前と変わらないようだが、こちらの感触も好きだ！｣

『私の胸を鷲掴みしたのは、君が世界で初めてだよ』

2人とも大胆な性格のせいか、恥ずかしげもなく普通の声量で会話をするため、羽京にはダイレクトに情報が伝わる。

スイカというコンプライアンスを守るための唯一の砦がいない今、遠慮なく繰り広げられる“年頃の女子の会話”というのは、どうにも聞いてはいけない内容ばかりで。

コハク｢最近の女子部屋のトレンドを聞かせてくれ！｣

『無理やりキスされるなら誰が良いか、かな。何故か結婚したい男ランキングよりみんな積極的に意見を出すんだ。』

羽京｢(よくない…よくないよ…！)｣

その女子部屋にはスイカや未来みたいな子供もいるのだろう。

そんな会話を繰り広げていていいのか、と思わなくもないが、それら会話の内容を知っているのも不思議な話なので無視してクロムの質問攻めに対応する千空先生を眺める。

コハク｢君の答えは？｣

『誰にされても同じだろう。と答えたら、南が怒ってしまって、こんな風に頬を膨らませたんだ。』

コハク｢愛らしいな、キスしたくなる頬だ。｣

どれだけ耳を遠ざけても、聞こえてくるのは君の穏やかな声で。

少し、逆上せるような気がした。

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