147:最強の寝床 ページ1
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南「そろそろ起きなさいよー」
『…やめてくれ……』
すっかり日も登り、朝食時の科学王国。
本日石化組み立てパズルチームの南は、早く現場に向かいたいのかまだ眠り続ける琴寧の顔を胸に埋め窒息させる。
琴寧は身体を捩り南を抱きしめる力を強くした。
ニッキーに助けを求めた。
南「全然起きなぁい…!」
杠「昨日の夜遅くまで千空くんと最終調整してたみたい。」
ニッキー「起きな!夜更かし厳禁だよ!」
『んむ…つかさ……』
ニッキー「誰と勘違いしてんだい!?」
顔を埋め、あろう事かその豊満な果実を揉みながらぽやぽやと男の名前を呟くものだから、南は頬を染め喜び、杠は若干引き気味で笑った。
急いで南から琴寧を離し、目を開かせる。
頬をペシペシと叩けば、弱く手を掴まれた。
『……仁姫だったか』
目が合い、ふわりと微笑まれる。
再び眠る前に形だけでも起立させて、その不安定な足のまま手を離すと、焦ったように目を見開いて抱きつかれた。
ニッキー「やっと目覚ましたね、いったいどんな夢見てたんだい。」
『……………司の冷凍庫に引き摺り込まれる夢』
杠「わぁお!思ったより物騒だった!」
南「あぁ、だから“やめてくれ”だったのね」
ニッキー「その割には笑顔だったじゃないか」
『司の胸筋がね、意外と柔らかいんだ。』
南「愛ね…!」
『…違うと思うが』
ニッキーに担がれ、南と石像のある洞窟に向かう。
既に何人か到着し、作業を始めていた。
南「あらっ、女の子しかいないじゃない!恋バナしましょ!」
ニッキー「好きだね」
杠にも負けない速さで石像を組み立てて行く琴寧の横で、ゆっくりとパズル選びから始める南。
琴寧の隣を陣取り、夜の女子部屋では人数が多すぎて話せないような話や、あの猛吹雪の日洞窟にいた女子だけだからこそできる、久しぶりの恋バナを始めた。
南「貴方と司さんだったら、やっぱりアラジンだと思うのよね」
『この前杠に聴かせてもらったお話だね』
杠「そうそう、貧しい青年とお姫様のお話、魔法のランプが青年の願いを3つ叶えてくれるやつですな」
『司は人魚姫だと思っていたけど、確かにそういう見方もあるね』
ニッキー「司は人魚姫じゃないよ」
興味深い勘違いをしている琴寧に、ニッキーがひとつため息を吐いた。
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AKU(プロフ) - めっちゃ面白すぎます!!更新待ってます! (4月5日 21時) (レス) id: 7e29cefaa6 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - こちらこそありがとうございます! (1月22日 6時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» わかります!!🍀*゜いつもコメントありがとうございます!!- ̗̀ ෆ( ˶'ᵕ'˶)ෆ ̖́-🩵🩶🩷 (1月13日 17時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんの純粋さが可愛いすぎます!!! (1月9日 13時) (レス) @page15 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 続編嬉しいすぎます! (1月9日 13時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗子 | 作成日時:2023年12月26日 23時