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『…ふふ、綺麗な色だね』
ピンク色が嫌いなわけじゃない。
あの暖かくて、春の訪れのような色は、優しくて、柔らかで、大好きだ。
ただ、琴寧にとっては、どうにも、合わないように感じて。
色だけが浮いてるような気がして。
龍水「貴様にはこの色が一番似合う。」
龍水が、彼が着せてくれた色は、とても自分に馴染むんだ。
今まで琴寧が試着した服の中で、1番の満足気な微笑みを見て南が驚く。
龍水は知っていたのだ。
琴寧は何色に惹かれるのか、彼女には何が似合うのか、何が、欲しいのか。
『素敵だ。大人になった気分だよ。今私は君と同い年くらいに見えるのかな。』
もちろんどの服も似合うが、気に入った服を着た琴寧の笑顔には、敵わない。
龍水「…ああ」
流れるようなその髪に口付けをして、その次に琴寧の履いた靴を撫でた。
龍水「靴とバレッタは俺が作った!イベリスとアマリリスのコントラストがなんとも美しいだろう!それとこの彫刻はアジアンタムだ!」
『まるで芸術品だね。私は歩かないから、これぐらいが丁度いいのかもしれない。』
龍水「なら、これからはこれを着ていればいい。今までの服も機能性に優れ良かったが、貴様には重いだろう。」
姫抱きし、試着室から出ていく龍水。
あまりの大胆さに、しばらく放心していた南とニッキーも、急いで龍水のあとを着いて行った。
ニッキー「“これからは”って、衣装チェンジって事かい?」
『普段着にするには現代的過ぎないかい?』
龍水「問題無い。そもそも、原始的な服装が似合わないからな、琴寧には。」
南「やっぱり司さんとはわかり合えなさそう〜!!」
杠の目の前に札束をありったけ置いて、「釣りはいらない」とそのまま朝食所に向かう。
予想外の衣装に、先程まで龍水を手のひらで転がしていたゲンも放心する。
勝ち誇ったような目で彼を一瞥し、琴寧の額にキスを落とした。
ゲン「……カッチーン!!!なんなの龍水ちゃん!!お金を巻き上げたのはこっちなのにムカつく!!」
千空「それ、悔しがってんのか?」
衣装チェンジに関しては特に何も感じていない千空が、ぷんすかと猫かぶりで怒るゲンに若干引いていると、朝食が出来上がったとの知らせが来る。
デパート千空で服を選んでいた科学王国民も、一旦服を選ぶのを辞め、配膳所に向かって行った。
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柏餅(プロフ) - 栗子さん» \(//∇//)\ (2月23日 11時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» あけましておめでとうございます〜!🐉⛩️🎍ハートのクイーンは今後も重要な要素なので注目されて嬉しいです!!✨今年もよろしくお願いします!!🫶 (1月13日 17時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんハートのクイーンが欲しかったのお嬢すぎて好きです!遅れましたが明けましておめでとうございます! (1月9日 13時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - マジで共感の嵐です! (12月7日 17時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» Dr.STONEの女の子ってマジでいい女ばっかですよね〜!最新話まで見てくれてありがとうございます!!🥳 (12月4日 23時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗子 | 作成日時:2023年10月3日 22時