128:思い出を語るたび ページ31
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コハク「今日の昼食はツルマメという植物で作ったナットーだそうだ!皆このアブラアゲという物に包んで食べているぞ!」
ほむら「なっ…とう…!?この世界で!?」
拘留されていても、一日として頭から離れることは無かった。
貴女の存在を、食事に運びに来る人皆が知らせてくれるから、知らせなくても、感じ取れたから。
怒っているのでしょうか。
あの日から一度も会えていない。
いや、
コハク「琴寧が作ってくれたのだ、聞くところによるとここから西南西の向こう側にあるらしくてな。千空と協力して実現したそうだ。」
会わせて貰えていないのか。
氷月「…ええ、よく知っています。津久井在来大豆。彼女はこの国の事をよく知っていますから。」
去年の10月下旬頃。
日課のように彼女の住む牢獄に訪れると、懐かしい匂いを漂わせ作業をしていたのを思い出す。
「み、巫女様の部屋から異臭が!」
「腐った臭いだわ!」
擦り傷ごときで医務室に来た凡夫が、異臭騒ぎに逃げていくのを眺め、幸運だと足を運ぶ。
板を使うのも面倒なのでジャンプして登り、中の様子を伺えば、彼女はいつもより楽しそうに壺の中をかき混ぜていた。
『氷月か、いい所に来た。こっちにおいで。』
氷月「いい匂いですね。」
『ふふ、たった今成功した所なんだ。きっと美味しいよ。』
素手でかき混ぜていたのか、普段は見られない彼女の細く絹のような手が露出する。
彼女の手は恐ろしく粘り気が含まれた豆が付着し、清潔とは言えない。
言えないが、
自分の口に運んでくれた小さな指が、かわいらしい。
『…っわ、氷月、指まで食べないでくれ。爪は汚いよ。』
氷月「美味しいです。お米が欲しくなりますね。」
『……お米は当分無理そうだから、これに合う食べ物を検討しよう。』
考えてくれたのか。
目の前に運ばれた、油揚げを眺め、いい気分になる。
目の前のコハクという女は、そんな事気にもせず、この拘置所を出ていった。
会いたいです。
君の瞳を眺めていたい、
こちらの事など気にせず、笑っていて欲しい。
そう想いながら眠る。
起きて、また眠る。
君を想いながら眠って何回だろう。
やっと。
『変わりないようで安心した。体調に異状は無いかい?』
やっと君に会えた。
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柏餅(プロフ) - 栗子さん» \(//∇//)\ (2月23日 11時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» あけましておめでとうございます〜!🐉⛩️🎍ハートのクイーンは今後も重要な要素なので注目されて嬉しいです!!✨今年もよろしくお願いします!!🫶 (1月13日 17時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 夢主ちゃんハートのクイーンが欲しかったのお嬢すぎて好きです!遅れましたが明けましておめでとうございます! (1月9日 13時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - マジで共感の嵐です! (12月7日 17時) (レス) id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
栗子(プロフ) - 柏餅さん» Dr.STONEの女の子ってマジでいい女ばっかですよね〜!最新話まで見てくれてありがとうございます!!🥳 (12月4日 23時) (レス) id: 117de47d08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗子 | 作成日時:2023年10月3日 22時